[11教-ポ-02] ライフジャケットを用いた実習授業が児童の行動意図の規定因に及ぼす影響
学年別の検討を通して
水難事故に対しては、「着衣のまま水に落ちた場合の対処」等の水難時に有効とされる技能を身に付けされる対策が強化されてきた。一方、被水難者に対する死者・行方不明者数の割合が著しく高い(46.4%)等の実情に鑑みると、発生件数そのものを逓減させる、あるいは被害を低減させる対策についても重要な意義を有している。本研究は、水難事故に対するリスクマネジメント能力を育成することを企図して、小学生(4~6年生計162名)を対象にライフジャケットを用いた実習授業を実施した。そして、その授業が児童の行動意図の規定因に及ぼす影響について明らかにするために、実習授業の直前・直後の二時点における質問紙調査を実施した。調査項目は、「有能感」「知識」「動機」に関する項目を用いた。分析の結果、実習授業は、学年を問わず児童の知識及び動機を高めること、5・6年生の有能感は授業直前の値が高いことが明らかになった。したがって、ライフジャケットを用いた実習授業は、児童の行動意図の規定因にポジティブな影響を及ぼすことが示唆された。また、学年ごとに繰り返し学習することが有効な項目と学習の効果がある程度持続する項目が存在することが確認された。