資源・素材2015(松山)

講演情報

企画講演

福島原発事故関連への製錬プロセス工学の取り組み

2015年9月8日(火) 09:00 〜 11:45 第6会場 (EL32)

司会:山口勉功(愛媛大学), 佐藤修彰(東北大学)

10:45 〜 11:15

[1605] 熱力学的評価に基づいた溶銅を用いたジルカロイの減容化処理

山口勉功1, 板垣乙未生 (1.岩手大学工学部, 2.東北大学名誉教授)

司会:佐藤修彰(東北大学)

キーワード:ジルカロイ, 減容化処理, 放射性廃棄物, 溶銅, 廃炉

原子力燃料の被覆管に、1852℃の高融点を有するジルコニウム合金(ジルカロイ)が使用されている。燃料の再処理や原子炉の廃炉に伴い、高放射性のジルコニウム廃棄物の減容化が急務である。 そこで本研究では、高融点のジルカロイを銅などの金属溶媒を用い、1200℃程度の比較的中低温度で溶融し、ジルカロイの90mass%以上を占めている放射能を帯びないジルコニウムと、ジルカロイに僅か数%程度含まれる放射能を帯びた錫,鉄,ニッケル,クロムなどの放射性核種のみを酸化物として濃縮、固化することが可能か、Cu-Zr系の熱力学データと状態図の測定を行い、検討を試みた。その結果、1200℃での処理を考えた場合、溶銅には質量比で銅の5倍程度のジルコニウムを熔融することが可能である。また、溶銅中のジルコニア濃度を塩化処理などで10-10mass%Zr程度まで下げることができれば、錫,鉄,ニッケル,クロムなどの放射性核種のみを酸化物として濃縮、固化可能であることが分かった。


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