環境

[PY-56] 超好酸性鉄還元細菌のPt(IV)還元能を利用したPt(0)ナノ粒子の生成に関する研究

^○松本昂大¹, 平島剛¹, 笹木圭子¹, 沖部奈緒子¹ (1.九州大学)

キーワード：Ptナノ粒子

日本の都市鉱山における貴金属資源埋蔵量は世界有数であるが、これらの貴金属資源の効率的な二次回収技術の開発が課題である。本研究では、工業触媒などとしての需要が年々増加しているプラチナ（Pt）に着目した。都市鉱山浸出液中に希薄濃度で存在するPtイオンを、微量で高反応性が期待できる分散型ナノ粒子として回収することで、リサイクル工程に付加価値を与えることが出来ると考えられる。従って、本研究では、環境負荷およびコストが小さく、シンプルなプロセスでのPtナノ粒子回収化を目指し、微生物学的な金属還元能を利用したPt(IV)の還元・回収を目標とし、超好酸性鉄還元細菌Acidocella aromatica PFBC株、およびAcidiphilium sp. SJH株を用い、強酸性溶液中における微生物学的Pt(IV)還元能評価、および不動化したPt(0)ナノ粒子の細胞内外局在等の分析を行った。電子供与体や溶存酸素条件等を含む条件検討を行った結果、分散したPt(0)ナノ粒子の生成には、微生物学的（酵素的）Pt(IV)還元による結晶核生成と、ギ酸による化学的還元に基づく結晶成長が関与することが示唆された。