資源・素材2020(仙台)

講演情報(2020年8月7日付 確定版)

企画講演

ポストコロナ新時代の非鉄金属製錬研究への期待と展望

2020年9月8日(火) 13:00 〜 16:50 第6会場

司会:打越雅仁(東北大学)、柴田浩幸(東北大学)

14:20 〜 14:40

[1K0603-12-05] 懸垂した銅精鉱小塊の燃焼挙動のその場観察による反応メカニズムの検討

○西村 伊織1、夏井 俊悟1、伊藤 昭久1、埜上 洋1 (1. 東北大学)

司会:打越雅仁(東北大学)

キーワード:銅製錬、その場観察、 懸垂法、燃焼プロセス

自溶炉シャフト部では、銅精鉱と珪砂から溶融硫化物 (マット, Cu2S) および溶融酸化物 (スラグ, 2FeO-SiO2) が形成するが、近年の銅精鉱組成変化に伴い、これまでの経験的な理解のみでは製錬効率化の向上が難しくなってきている。そこで本研究では、自溶炉シャフト内で広範な温度・組成範囲を経る銅精鉱粒子の詳細な反応機構の解明に向けて、銅精鉱燃焼挙動のその場観察を実施し、懸垂した銅精鉱粒子の温度測定を同時に行った。反応場は、気相温度570℃、組成範囲が60-100 vol%の O2ガスおよび流速を一様となるように制御して、25 mgの円柱状に成形したカルコパイライト (CuFeS2) 、パイライト (FeS2) の試薬および2種類の実精鉱 (銅精鉱A、銅精鉱B) を用いて燃焼試験を行った。CuFeS2は、900℃付近で一旦温度上昇が緩慢となった後、激しくガス発生を伴い最高到達温度1600℃以上に達するが、900℃付近の温度上昇停滞時間は酸素濃度変化により異なる。一方、FeS2の場合、周囲の酸素濃度によらず試料の最高到達温度は1600℃以上に達し、いずれもガス発生を伴う燃焼挙動が見られた。また銅精鉱A、Bともに酸素濃度の上昇に伴い最高到達温度も上昇し、銅精鉱AではCuFeS2と同様の変化が見られた。

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