資源・素材2020(仙台)

講演情報(2020年8月7日付 確定版)

一般講演

湿式素材プロセッシング

2020年9月9日(水) 09:00 〜 11:00 第3会場

司会:八木俊介(東京大学)

09:00 〜 09:20

[2K0301-06-01] リチウムイオン二次電池向けニッケル/コバルトの湿式製錬法

○大原 秀樹1、高野 雅俊1、小林 宙1、浅野 聡1 (1. 住友金属鉱山株式会社)

司会:八木俊介(東京大学)

キーワード:リチウムイオン二次電池、ニッケル、コバルト、MHP、D2EHPA

ニッケルおよびコバルトは、リチウムイオン二次電池の正極材に使用され、車載向け用途の拡大に伴い、需要が増加している。不純物を多く含んだ原料を処理することが出来れば、将来的な原料調達リスクへの対応および資源の有効活用が出来る。

 ニッケル酸化鉱由来の製錬中間物にMixed Hydroxide Precipitate(以降、MHPとする。)がある。MHPは、不純物に鉄やマグネシウム等を多く含むため、フェロニッケルやNickel Pig Iron(以降、NPIとする。)等のステンレス原料として使用されてきた。しかし、フェロニッケルやNPIを製造する乾式プロセスでは、コバルトがスラグに分配し、有効活用できないという問題があった。

 一方、通常のニッケルやコバルトの製錬では、両元素を分離精製する。しかし、正極材では、その両方を使用するため、分離精製が不要になる。それにより、薬剤の使用量や製造工程の削減が可能になる。

 これらより、MHPを原料にニッケルとコバルトを分離精製せず、リチウムイオン二次電池の正極材向けに使用可能とする精製プロセスを開発することにした。金属抽出剤D2EHPAを使用した製錬プロセスを開発したため報告する。

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