湿式素材プロセッシング

[2K0301-06-03] Zn電解採取用Pb基不溶性アノードの酸素発生過電圧に及ぼす複合酸化物の効果

○高橋 弘樹¹、山口 大輝¹、田口 正美¹ (1. 秋田大学)

司会：八木俊介（東京大学）

キーワード：酸素発生反応、Pb基アノード、複合酸化物

Zn電解採取は，Al溶融塩電解法に次ぐ大電力消費型の電解プロセッシングである．日本の産業用電力料金は先進諸国の中でもきわめて高額であるため，電解採取における所要電力を削減して，生産コストを低減させることが非鉄金属製錬における大きな課題である．Zn電解採取における省電力の新規不溶性アノードとして，粉末圧延法により各種複合酸化物触媒を分散させたPb基アノードを作製した．その中で，層状複合化合物であるNaCo₂O₄を電極触媒として分散させたPb基アノードにおいて，著しいアノード電位の低下を確認できた．そこで，本研究では，NaCo₂O₄含有量の異なるPb基アノードを作製し，H₂SO₄水溶液中におけるアノード分極測定によって酸素発生過電圧を調査することにした．その結果，10mass%のNaCo₂O₄を含むPb基アノードは，現行材料であるPb-0.7mass%Ag鋳造圧延アノードよりも0.23 V低い酸素発生過電圧を示した．発表では，電極表面の化合物相や表面状態の観察から，の酸素発生反応におけるPb-NaCo₂O₄アノードの活性因子を考察する．