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[3K0411-17-01] アノード電析法を用いた新規貴金属リサイクル手法の開発
司会:松浦宏行(東京大学)
キーワード:溶融塩、リサイクル、貴金属、金、アノード電析
我々の生活水準の向上に伴う貴金属(金、白金族金属等)の需要増加により、貴金属のリサイクル技術の開発は益々重要となると予想される。貴金属は、化学的安定性に優れることから、そのリサイクルプロセスにおいては強力な錯化剤と酸化剤を含む水溶液を用いて溶解され、その後、複雑な多段の分離・抽出工程を経て精製される。したがって、処理には長時間を要し、多量の有害廃液が発生する。本研究では、廃液を一切発生しない新しいタイプの簡便な貴金属のリサイクル手法を開発した。スクラップ中に含まれるAuをNaと合金化させると、溶融塩にNaカチオンおよびAuアニオンとして溶解する。2本の電極を溶融塩に挿入し分極することで、電気化学的酸化反応により金属Auとして析出(アノード電析)し、同時に対極では電気化学的還元反応により金属Naが析出する(カソード電析)。カソード電析したNaは新しいスクラップの処理に利用可能であるため、原理的にはNaや溶融塩を消費せず、有害なガス発生や廃液発生の一切ない、シンプルで環境調和型のプロセスとなる。このような貴金属のアノード電析技術は、スクラップ中の貴金属のリサイクルプロセスに新たな可能性を開くと期待される。
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