資源・素材2021(札幌)

講演情報(2021年8月18日付 確定版)

一般講演

【一般講演】 湿式素材プロセッシング/新材料

2021年9月15日(水) 09:00 〜 12:00 第4会場 (Webex)

司会:八木 俊介(東京大学)、谷ノ内 勇樹(九州大学)

09:20 〜 09:40

[2K0401-08-02] 塩化ニッケル液からの脱銅電解能力増強と効率改善

○服部 和樹1、田中 雄大1、佐藤 英明1 (1. 住友金属鉱山株式会社)

司会:八木 俊介(東京大学)

キーワード:MCLE、塩化ニッケル液、脱銅、電解採取

住友金属鉱山(株)ニッケル工場では、独自の湿式塩化浴製錬法であるMCLE(Matte Chlorine Leach Electrowinning)法による電気ニッケルの生産を行っており、国内外の需要に合わせ順次増産を図り 65,000t-Ni/年の生産能力を有している。しかしながら、近年需要が増加してる電池材料用途として世界中でニッケル源調達競争が激化しており、良質なニッケル原料の入手が困難となってきたことから、不純物品位の高い原料が増加しても生産能力が維持できるように、銅を中心とした不純物対応能力の増強を図り、原料対応力の柔軟性を向上させてきた。MCLE法における銅除去方法は電解採取法でカソードに銅粉を回収する脱銅電解法である。今回の能力増強における特徴は、銅負荷に比例して単に電槽数を増加させるのではなく、プロセス変更による脱銅電流効率改善を検討した点である。具体的には、脱銅電解給液として従来2価の銅イオンを供給していたが、1価のCuイオンに予め還元した後に給液する新規プロセスを検討した結果、脱銅電流効率は従来の2倍程度の能力となり、設備の増強を約半分に抑えることが出来た。本報告では、脱銅電解給液条件の変更および設備改善により脱銅電解電流効率を向上させた取り組みについて報告する。

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