一般社団法人資源・素材学会 2023年度 春季大会

講演情報(2023年2月3日付 確定版)

企画講演

【企画講演】 鉱業史

2023年3月15日(水) 09:00 〜 12:00 第2会場 (6号館 1階 615)

司会:中西 哲也(九州大学),久間 英樹(松江工業高等専門学校)

11:40 〜 12:00

[3K0201-09-09] (学生発表:修士課程) 新潟県佐渡島の金銀鉱床から産出した金銀鉱石の地球化学的特徴

○澤嵜 友彦1、石田 美月1、大田 隼一郎1,2、中村 謙太郎1,2、安川 和孝1、加藤 泰浩1,2 (1. 東京大学、2. 千葉工業大学次世代海洋資源研究センター)

司会:久間 英樹(松江工業高等専門学校)

キーワード:佐渡島、浅熱水性鉱床、金銀鉱床、全岩化学組成、オスミウム同位体

日本列島は,かつて多数の金銀鉱床が存在する世界的な産金国であったが,現在はほとんどの鉱山が操業を終えて閉山している.しかしながら,2016年頃から海外資本企業が日本国内での金鉱床探査に本格的に乗り出しており,日本の金鉱床に対する注目度が再び高まっている.世界に存在する金銀鉱床の多くは,地殻中の高温流体 (熱水) が有用な金属元素を溶解・運搬し,温度や圧力などの変化に伴ってそれらの金属が沈殿することで形成された熱水性鉱床に分類される.そして日本国内における産金量の9割以上は,熱水性鉱床の中でも地下浅部 (~1 km) で生成した浅熱水性鉱床から生産されたものである.しかしながら,鉱床中の金や銀が地球内部のどこからもたらされ,どのようなプロセスを経て濃集し,高品位な鉱床を形成したのか,その詳細については未だ不明な点が多い.本講演では,国内産金量第2位で日本を代表する佐渡鉱床を含む新潟県佐渡島の金銀鉱床を対象とし,その金銀の起源と濃集プロセスの解明を目的として実施した,全岩化学組成分析およびオスミウム同位体分析の結果について報告する.

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