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[A-36] 捕食性天敵タバコカスミカメの細菌叢解析
昆虫に感染する共生細菌は、宿主の摂食や繁殖、分布等に影響を与えることが報告されている。本研究では、捕食性天敵タバコカスミカメの細菌叢を明らかにし、感染頻度と地理的要因の相関から、細菌との相互関係を考察した。16S rRNA遺伝子のアンプリコンシーケンス解析の結果、国内14地点で採集したタバコカスミカメから、9種の主要な細菌(Rickettsia, 2系統のWolbachia, Spiroplasma, Providencia, Serratia, Pseudochrobactrum, Lactococcus, Stenotrophomonas)が同定された。これらのうち、昆虫類に広く感染している生殖操作細菌について診断PCR(n=360)を行ったところ、最も高頻度で感染していた細菌はRickettsia (69.2%)、続いてWolbachia (39.2%)、Spiroplasma (6.1%)であった。Rickettsiaの感染頻度と緯度、気温には相関が見られ、Wolbachia, Spiroplasmaの感染頻度は、寄主植物との相関が見られた。