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[A-37] ASKA barcode libraryを用いたカメムシに共生しやすい大腸菌の探索
多くの昆虫は共生細菌と密接な関係を結んでおり、お互いの存在なくしては生育できないことが知られている。一方で、長い歴史の中で共生細菌がほかの細菌種に置き換わっていることも見られ、昆虫と細菌の関係は絶対的なものではないことが分かる。では、共生細菌が全く別の細菌に入れ替わるとき、新たな共生細菌はどのような細菌なのだろうか?具体的に言えば、土の中などで自由生活していた細菌がカメムシの腸内で暮らすという大きな変化に適応できる細菌はどのような特性を持つのだろうか?我々は、1遺伝子欠損株大腸菌であるASKA libraryをふ化直後のチャバネアオカメムシに共生させ、カメムシの腸内共生部位から大腸菌を取り出すことで、どのような遺伝子欠損株が共生に有利であるかを調査した。その結果、通常の大腸菌と1遺伝子欠損株を1:1の割合で混ぜても、ほぼ1遺伝子欠損株しか現れないような共生能力が著しく高い株をいくつか取得することが出来た。さらに、この株たちはチャバネアオカメムシの生存率を著しく上げることは無い、cheaterと呼べるような共生しやすいだけの株であることが分かった。