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[B-56] キャベツにミミズ類が侵入する環境要因の探索
佐賀県内の一部の圃場から出荷された加工用キャベツでミミズ類が混入して問題となった。ミミズの混入は外観からは判断できないことから,圃場での対策が必要とされている。現地調査の結果,キャベツに侵入したミミズ類はフクロナシツリミミズであることが明らかとなった。また,発生圃場の観察結果から圃場の排水が悪い条件でキャベツに侵入することが推察されたが,その詳細は不明であった。そこで,フクロナシツリミミズと同科であるツリミミズ(以下,ミミズ)を用いて,ミミズが土壌から移動する要因を解明するために①明暗②温度③湿度④土壌水分の4つの条件について,室内試験にて検討を行った。その結果,①明暗は,全明(24L0D)よりも全暗(0L24D)で移動する個体が多かった。②温度は,5,10,15,20℃のすべての条件で移動が認められ,その差は明確ではなかった。③湿度は実験装置をポリ袋で密閉した高湿度条件の方が,密閉していない低湿度条件よりも移動個体が多かった④土壌水分は,乾燥(土壌水分30%以下),湿潤(土壌水分40%~50%)で湛水よりもミミズの移動個体数が多かった。このことから,ミミズの移動には,照度と湿度条件が大きく関与し,暗黒(低照度),高湿度条件下で,その行動が助長されると考えられた。