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[C-35] クビアカツヤカミキリの侵入・定着リスクが高い地点の特徴
近年、日本国内ではサクラ等のバラ科樹木に穿孔し寄生する外来種クビアカツヤカミキリ(Aromia bungii)が侵入・定着し、分布を拡げている。本種の分布拡大を阻止するためには、寄生木の早期発見が重要である。とりわけサクラ類が点在する地域においては、限られた調査資源を効果的に配分し早期発見を実現するために、侵入・定着リスクが高い地点の特徴を明らかにする必要がある。本研究では、侵入初期地域において本種が寄生した木の発見確率が高い地点を予測するため、クビアカツヤカミキリ被害分布図(大阪府. 2022)に基づく分布の先端地域に調査地を設定し、各調査地点の全てのサクラ類における本種の寄生の有無を調査した。2022年(事前調査)において寄生木が確認されなかった地点を対象に、2023年(事後調査)における寄生木の有無を精度よく予測する地点の特徴の組み合わせ(説明変数:調査木の樹冠面積合計、平均樹勢評価、平均根元径、剪定の有無、事前調査で寄生木が確認された地点からの距離、調査地周辺のサクラ樹冠面積合計)を検討した。その結果、調査木の樹冠面積合計が大きく、平均根元径が大きく、調査地周辺のサクラ樹冠面積合計が大きい地点ほど、本種が侵入・定着するリスクが高くなる可能性が示唆された。