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[C-48] 腸内細菌保持のコスト―セイヨウミツバチ腸内細菌は宿主の生存率を低下させる
近年、腸内細菌の構成が宿主の健康に与える影響に多くの関心が集まっており、セイヨウミツバチ(Apis mellifera)は、その優れた特徴から宿主―腸内細菌相互作用のモデル系として注目されている。本研究では、5種の主要な細菌とその相互作用がミツバチ個体の生存率にどのように影響するかを、全32通りの異なる細菌の組み合わせを用いて調査した。生存試験の結果、腸内細菌の投与によって生存率が改善されることはなく、むしろ腸内細菌の存在は生存率を低下させる傾向にあることが分かった。また、細菌間の高次相互作用を含む回帰分析から、細菌間の相互作用が生存率に有意な影響を及ぼし、生存率への効果は2次および4次の相互作用は正で、3次および5次の相互作用は負であるという定性的な傾向が示された。次に、一般的なLotka-Volterra競争モデルを構築し、どのような細菌間の相互作用がこの傾向を生み出すかを探った。その結果、細菌間の「競争」がこの傾向を生み出し、3次の細菌間相互作用も量的に寄与することが示された。このような高次の相互作用は群集を安定化させることが提唱されており、理論モデルの分析によって示唆された腸内細菌間の高次相互作用は、ミツバチの腸内細菌叢を安定化する役割を果たしている可能性がある。