14:15 〜 14:30
[D-13] タイリクヒメハナカメムシの行動制御に利用可能な揮発性有機化合物の探索
現在、作物の害虫の防除手段は化学農薬が主体であるが、農薬の頻用は害虫の薬剤耐性を必然的に引き起こすリスクを伴う。そこで、化学農薬に代わる、天敵昆虫を利用した害虫防除が促進されている。本研究では、圃場に放飼した天敵の効果を最大限に保持する目的で、天敵を圃場に誘引・定着させるシステムを構築するため、天敵から分泌される匂いを利用した天敵昆虫の行動制御の可能性について検討した。
在来性の天敵昆虫のタイリクヒメハナカメムシ(Orius strigicollis)は昼行性を示し、アザミウマ類などの微小害虫を捕食する。本研究では、まずその体表から分泌される揮発性有機化合物(VOCs)に着目し、その捕集を行った。質量分析の結果、主に11成分が体表から空気中に放出されることを明らかにし、そのうち7成分を標準品との比較により同定した。また、捕集したVOCsには性特異的な成分が含まれていた。
次に、天敵昆虫の体表分泌物が行動に与える活性について検討した。行動実験による誘引・忌避などの効果を解析した結果、興味深いことに時間特異的な誘引活性を示したことから、本研究を通して、将来的に時間生物学の視点を加えた生物農薬による害虫防除法を提案することができればと考えている。
在来性の天敵昆虫のタイリクヒメハナカメムシ(Orius strigicollis)は昼行性を示し、アザミウマ類などの微小害虫を捕食する。本研究では、まずその体表から分泌される揮発性有機化合物(VOCs)に着目し、その捕集を行った。質量分析の結果、主に11成分が体表から空気中に放出されることを明らかにし、そのうち7成分を標準品との比較により同定した。また、捕集したVOCsには性特異的な成分が含まれていた。
次に、天敵昆虫の体表分泌物が行動に与える活性について検討した。行動実験による誘引・忌避などの効果を解析した結果、興味深いことに時間特異的な誘引活性を示したことから、本研究を通して、将来的に時間生物学の視点を加えた生物農薬による害虫防除法を提案することができればと考えている。