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[E-16] コウノアケハダニEotetranychus asiaticusの分類学的検討
コウノアケハダニEotetranychus asiaticus Ehara, 1966, は当初、E. sexmaculatus (Riley, 1890)として日本に分布することが報告された(Ehara, 1956)。その後、Ehara (1966)はこの種がE. sexmaculatusではなく、別種のE. asiaticusであるとして新種記載した。両種の違いは挿入器先端部の形態(下方に緩やかに曲がり、途中でちぎれたような先端で終わる)と周気管の形態(先端が曲がり膨らむ)が、カリフォルニア個体群と異なるためとした(挿入器は下方に緩やかに曲がり鋭尖、周気管には膨らみがない)。ところが、江原(1973)では再びE. asiaticusがE. sexmaculatusの新参異名であるとしたものの、江原(1993、1996)、Ehara (1999)および江原・後藤(2009)ではE. asiaticusを復活させている。そのため、世界的にE. asiaticusとE. sexmaculatusの分類が混乱した状態にあるので、今回、米国と豪州、ニュージーランド、中国、台湾、日本のサンプルについて、形態とmtDNAのCOI領域およびrDNAのITS2領域の塩基配列を詳細に検討し、2種の関係を再検討した。