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[F-03] クワコ繭およびカイコ繭トラップからのマダラトガリホソガの採集
クワコ(Bombyx mandarina)はカイコ(Bombyx mori)の祖先種で、桑を食樹とする鱗翅目昆虫である。九州大学伊都キャンパス内の桑畑でクワコの繭を採集したところ、繭からマダラトガリホソガ(Anatrachyntis japonica)が羽化した。マダラトガリホソガは、ハマボウの蒴果やミノガのミノからの採集例が報告されているが、詳しい生態は不明である。本種が、死亡して乾燥したクワコの蛹を摂食していた可能性を検証するため、内部に死亡したカイコの蛹を含む繭をトラップとして設置し、マダラトガリホソガを採集できるのか調査した。4個のカイコ繭を1セットとして、合計で15個のトラップを8月13日から9月30日まで桑畑に設置し、その後、11月15日まで観察した。その結果、合計で4個のトラップから、7頭のマダラトガリホソガが羽化した。繭内部の観察から、本種の幼虫は繭内で死亡したカイコの蛹を摂食していることが推定された。以上の結果より、本種は、内部に死んだ蛹を含む鱗翅目昆虫の繭に産卵し、幼虫は、死んだ蛹を摂食することが示唆された。本種幼虫の特異な食性の分子機構解明の一助として、腸における細菌叢解析とRNA-seqを行ったので、併せて報告する。