[PG01-41] 物体検出アルゴリズム“Yolo”を用いた果樹カメムシ類発生予察省力化の検討
果樹カメムシ類(チャバネアオカメムシ,ツヤアオカメムシ,クサギカメムシ)の発生予察おいて,予察灯誘殺数調査は重要な調査の一つであるが,一晩で誘殺数が数百頭に達することもあるため,調査に労力を要するのが課題である.そこで,物体検出アルゴリズム“Yolo”を用いて画像判別モデルを作製し,画像から誘殺個体数を自動計数することで省力化を図る方法と,予察灯飛来個体を夜間撮影して自動計数し,誘殺数を推定する方法について検討した.モデル学習は誘殺個体画像93枚(7,302頭撮影)および予察灯夜間撮影画像918枚(5,246頭撮影)を用いて実施した.学習未使用の画像を用いて精度検証したところ,誘殺個体についてはチャバネアオカメムシをツヤアオカメムシと誤認するケースが多かったが,両種の合計は概ね正確に計数できた.なお,クサギカメムシは実際より少なく計数される場合が多かった.このことから,画像から誘殺数を計数できる可能性があるが,撮影方法の改良や追加学習が必要と考えられた.また,夜間撮影した予察灯飛来個体については概ね正確に種判別されており,画像から計数した個体数と誘殺個体数の間には直線的な正の相関関係がみられた.このことから,夜間撮影画像から誘殺数を推定できる可能性が示唆された.