[PG01-45] 衛星画像からの指数を用いた熱帯地域の糞虫類多様性の地図化
熱帯地域で直接的なデータ収集により生物多様性を広域に評価するのは困難であるが、リモートセンシング技術を用いた生物多様性予測モデルの開発は、それを可能にすると考えられる。そこで、インドネシアのバリクパパン市北部の健全な天然林、火事林、二次林、造林地、草地において同じ方法で行ってきた糞虫類捕獲データと調査地点のSPOTS 5 衛星画像から得られる10〜170m角の様々な指数の平均値との関係を解析し、最適な多変量回帰モデルを選択した。その結果、全体の種数、森林性種の種数と捕獲数、シンプソンの多様度指数(1/D)において、実測値とモデルからの予測値の間にR2 = 0.39〜0.75の関係が得られた。次に約20km四方の対象地域全体でモデルからの予測値を算出し、地図化を行ったところ、全体の種数、森林性種の種数と多様度指数が高い地域は、健全林と火事林内の燃えなかった地域(谷)と一致していた。逆に、森林性種の捕獲数は火事林内の燃えた地域(尾根)で高い傾向があった。以上のことから、衛星画像の利用による熱帯地域内の糞虫類多様性の予測と地図化が可能であることが示唆された。