[PG02-10] 土壌埋め込みによるクビアカツヤカミキリ成虫脱出阻止試験
クビアカツヤカミキリ(以下クビアカ)被害材処理は、特定外来生物に指定されていることから、被害木から成虫の羽化脱出を完全に防止する必要があり、焼却、チップ化が一般的である。クビアカによる被害が拡大する中で、新たな被害材処理方法が求められている。その中で被害材の土中埋設を想定して、クビアカ成虫の土壌埋め込み試験を実施した。野外で捕獲したクビアカ成虫を容器内で80cm深まで埋め込み、地上部に脱出してくるか確認した。その結果、70cm深までクビアカ成虫の脱出が認められたが、80cm深では完全に脱出を阻止できた。また、脱出してきた個体は全て試験開始から7日以内に脱出していた。野外捕獲個体と被害材からの新成虫の違いは今後考慮する必要があるが、クビアカ成虫が土から脱出する能力は高いものであると考えられた。本研究は「相次いで侵入した外来カミキリムシから日本の果樹と樹木を守る総合対策手法の確立(04015C1)」において生研支援センター「イノベーション創出強化研究推進事業」および森林総研「家族責任がある研究者のための支援制度」による研究支援を受けた。