日本昆虫学会第84回大会・第68回日本応用動物昆虫学会大会 合同大会

講演情報

ポスター発表

[PS01] ポスター発表(学生A:コアタイム2)

2024年3月29日(金) 12:30 〜 13:30 桜(学生) (桜)

[PS01-36] キイロショウジョウバエにおいて個体の攻撃性が集団の採餌効率に与える影響

◯戸高 倫太郎1、高橋 佑磨2 (1. 千葉大・理、2. 千葉大・院・理)

攻撃行動は、自身が資源や配偶者を獲得するために、他個体に対して直接的、または間接的に危害を加える行動である。すなわち、攻撃行動は自身の繁殖成功や資源獲得量を高めると同時に、他個体の繁殖成功や資源獲得効率を低下させているものである。このように、攻撃行動が個体レベルのパフォーマンスに影響を与えることは広く知られた事実である一方で、攻撃性の高さや攻撃性の個体差が、集団レベルのパフォーマンスに与える影響は充分に理解されていない。本研究では、攻撃性の程度がすでに定量されている複数のキイロショウジョウバエ系統を用いて、個体の攻撃性の高さやその個体差が集団全体のパフォーマンスに与える影響を検証することを目的とした。キイロショウジョウバエのDGRP系統のうち、攻撃性の高い系統と中程度の系統、低い系統を各4系統ずつ実験に供した。中央に餌場のある直径15㎜の円形の空間内に、飢餓処理後のオス個体を2頭導入し、上方から20分間撮影を行なった。このとき、同系統のオスを組み合わせた場合と、異系統のオスを組み合わせた場合がある。その結果、2頭のオスが餌場あるいはその近くに滞在する合計時間は、系統間でも組み合わせ間でも有意に異なっていた。本講演では、攻撃性と餌場での滞在時間の関連性について議論する。