[PS02] ポスター発表(学生B:コアタイム2）

[PS02-100] 海鳥コロニーにおけるダニ類の分布調査およびそれらが保有するウイルス叢解析

◯Ryo Matsumura^1,2, Masaki Shirai³, Yuichi Mizutani⁴, Shiho Koyama⁴, Wataru Takeda⁴, Chisaki Yashiki⁴, Momoyo Fujioka⁵, Daisuke Kobayashi², Takashi Yamamoto⁶, Shinji Kasai², Kyo Itoyama¹, Ken Yoda⁴, Haruhiko Isawa² (1. Grad. Sch. Agri., Meiji Univ., 2. Dept. Med. Entomol., NIID, 3. CRIEPI, 4. Nagoya Univ., 5. Nagaoka Univ. Tech., 6. Azabu Univ.)

ダニ類はウイルスや細菌、原虫といった多様な病原体を媒介する衛生害虫である。このうちダニ媒介性ウイルスには、重症熱性血小板減少症候群ウイルスやダニ媒介性脳炎ウイルスといった公衆衛生上重要なウイルスが数多く含まれる。こうしたダニ媒介性ウイルスの感染リスクを把握するためには、媒介種であるダニ類の分布状況やそれらが保有するウイルスの解析を行うことが重要である。本研究では、ウミネコおよびオオミズナギドリの2種の海鳥を対象に、集団繁殖地のある地域（青森県蕪島、新潟県粟島、東京都利島）においてダニ類の採集を行い、その寄生実態について調査した。また、採集されたダニ類を対象として次世代シークエンサーを用いた網羅的なウイルス叢解析を行った。その結果、利島のオオミズナギドリコロニーでのみフィリップマダニIxodes philipiとサワイカズキダニOrnithodoros sawaiiが採集された。利島におけるこれらダニ類の分布確認は本研究が初となる。また、フィリップマダニの複数プール検体からダニ類に特異的に感染すると思われる種類の新規ウイルス配列を検出した。海鳥寄生性ダニ類の分布や保有ウイルスに関する知見は非常に限られているため、他の繁殖地においても同様の調査を行っていくことが重要である。