日本昆虫学会第84回大会・第68回日本応用動物昆虫学会大会 合同大会

講演情報

ポスター発表

[PS02] ポスター発表(学生B:コアタイム2)

2024年3月30日(土) 12:30 〜 13:30 桜(学生) (桜)

[PS02-42] ホソヘリカメムシおよびコクヌストモドキに対する
幼若ホルモン様活性物質の活性発現機構の解明

◯長島 涼1、中川 貴雄1、品田 哲郎2、粥川 琢巳3、水口 智江可1 (1. 名古屋大院・生命農学、2. 大阪公立大・理学、3. 農研機構・生物研)

幼若ホルモン(juvenile hormone, JH)は蛹や成虫への変態を抑制する。幼若ホルモン様活性物質(juvenile hormone mimic, JHM)を投与した場合の変態抑制活性は昆虫種によって異なるが、詳細は不明である。本研究では、ホソヘリカメムシとコクヌストモドキにJH類およびJHMを局所投与して変態抑制活性を評価した。ホソヘリカメムシでは内在性JH(JH Ⅲ skipped bisepoxide, JHSB₃)よりJHMの活性が低く、コクヌストモドキでは内在性JH (JH III) よりJHMの方が高い活性を示した。次に、JH受容体タンパク質を発現させたtwo-hybridシステムにおいて、リガンド依存的なレポーターの活性を測定した。ホソヘリカメムシの場合、JHMよりもJHSB₃の方が高い活性を示したことから、JHMの低活性が受容体との親和性のレベルで生じていることが示唆された。一方コクヌストモドキではJHMよりもJH IIIの方がやや高い活性を示し、in vivoでの活性とin vitroでの受容体への作用との間で活性順に違いが見られた。現在その原因について考察を行っている。