[PS02-60] 土着天敵ラデマッヘルカブリダニ Amblyseius rademacheriの生態評価
わが国在来の捕食性天敵であるラデマッヘルカブリダニ Amblyseius rademacheri(以下、ラデ)はその形態がスワルスキーカブリダニ Amblyseius swirskii(以下、スワ)に酷似しており、形態が適応進化の結果得られたものとするならば、生物的防除資材としても同等の働きが期待できる。本研究ではラデの基本的生態を明らかにするため、スジコナマダラメイガ卵を餌としてラデおよびスワの性比と世代期間を調査・比較した。雄率は、ラデが僅かに高かった。世代期間は、ラデでは雌が雄より有意に短かったが、スワでは雌雄間で有意差がなかった。また、両種の発育期間を齢期ごとに比較すると、スワの幼虫期は雌雄ともにラデより有意に短かったものの、世代期間全体では有意に短かったのは雄のみであり、雌では有意差がなかった。このほか、産卵数についても調査中であり、この結果についても報告する予定である。