日本昆虫学会第84回大会・第68回日本応用動物昆虫学会大会 合同大会

講演情報

ポスター発表

[PS02] ポスター発表(学生B:コアタイム1)

2024年3月30日(土) 11:30 〜 12:30 桜(学生) (桜)

[PS02-75] ズッキーニが隣接するミニトマトのヒメハナカメムシ類個体群に与える影響

◯白川 純蓮1、糸山 享1 (1. 明治大学大学院)

農地の植生を操作する生息地管理は、害虫に対して直接的な抑制効果を発揮するほか、天敵の機能を促進することができる。このような取り組みの一環として、天敵に餌資源や隠れ場所を提供する温存植物の植栽が行われている。一方、天敵温存植物の植栽は実質的な栽培面積を減少させるという指摘もあるため、同様の効果を示す収穫可能な作物が利用できれば望ましい。川田ら(2018)は、ウリ科作物のズッキーニにおける、アザミウマ類の捕食性天敵であるヒメハナカメムシ類(以下、ヒメハナ)の継続的な発生を確認した。そこで本研究では、ヒメハナの発生が少ないと考えられるミニトマトをズッキーニと隣接するように定植した区(以下、試験区)と、ミニトマトのみ定植した区(以下、対照区)を設けて、ヒメハナおよび餌となるアザミウマ類の発生推移を比較し、ズッキーニが隣接するミニトマトのヒメハナ個体群に与える影響を調査した。その結果、ヒメハナの発生量は試験区よりも対照区で多かったものの、アザミウマ類の発生量は対照区よりも試験区で低く推移した。以上の結果から、ズッキーニがミニトマトに与える影響について考察した。