The 84th Annual Meeting of the Entomological Society of Japan・The 68th AEZ annual meeting

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[PS02] ポスター発表(学生B:コアタイム1)

Sat. Mar 30, 2024 11:30 AM - 12:30 PM Sakura (Student) (Sakura)

[PS02-79] ハクサイにおけるプロヒドロジャスモンを用いた害虫防除

◯Hirotaka Matsuzawa1, Masayoshi Uefune1 (1. Meijo Univ. )

ジャスモン酸は, 植物の防衛反応に関わる重要なホルモンであり, 人為的に処理することにより植物の植食者に対する直接・間接防衛能が向上することが知られている.植物成長調節物質であるプロヒドロジャスモン(以下, PDJ)は, ジャスモン酸の類縁体化合物であり,植物に処理することで, ジャスモン酸処理と同様な防衛能の向上が期待できる.本研究では,植物としてハクサイ,植食者(害虫)としてモモアカアブラムシ(以下,アブラムシ),天敵としてヒメカメノコテントウ(以下,テントウ)を用いて,PDJ処理がハクサイの害虫忌避能と天敵誘引能を向上させるかどうか室内実験を行った.その結果,PDJ処理されたハクサイに対してアブラムシは忌避反応を,テントウは誘引反応を示し,PDJ処理によるハクサイの害虫忌避能と天敵誘引能の向上が確認された.さらに,PDJ処理により害虫防除が可能なのかどうかを評価するために露地ハクサイにおいて害虫防除実証試験を行った.害虫防除実証試験では,害虫の発生数に加えて,PDJ処理が収穫物の重量に与える影響も評価した.本発表では,室内実験と害虫防除実証試験の結果から,PDJ処理によるハクサイにおけるアブラムシ防除の可能性について議論する.