[PS02-95] クロマルハナバチおよびタバコカスミカメに対する紫外線の影響
太陽光利用型植物工場に比べ人工光型植物工場での有用昆虫の利用はあまり進んでいないが、今後は果菜類の栽培が盛んになると利用が進むと考えられる。人工光型植物工場では、植物の生長に関わる可視光線の波長域のみを含むLEDが用いられている。しかし昆虫の多くは紫外線(UV)を視認して活動を行っている。そのため紫外線を含まれない照明下の植物工場での有用昆虫への影響を明らかにするためクロマルハナバチ(クロマル)と天敵昆虫タバコカスミカメ(カスミカメ)で実験を行った。
クロマルは、UV無では学習飛行の最初から異常行動がみられ、学習飛行にかかる時間がUV有に比べ長くなった。また周辺環境に順応後、UV無では正常な訪花行動を示す個体の割合がUV有より有意に低くなった。そのためUV無条件ではクロマルの活動は低下すると考えられた。カスミカメの21日間の産卵数は、14日目ではUV有の方が多い傾向があり、21日目は有意差があった。1〜7日目では産卵数に差がなかったため、UV無条件では産卵基質の探索行動に影響があると考えられた。そのため効率的で正常なクロマル、カスミカメの利用にはUV光を含むことが望ましいと考えられる。
クロマルは、UV無では学習飛行の最初から異常行動がみられ、学習飛行にかかる時間がUV有に比べ長くなった。また周辺環境に順応後、UV無では正常な訪花行動を示す個体の割合がUV有より有意に低くなった。そのためUV無条件ではクロマルの活動は低下すると考えられた。カスミカメの21日間の産卵数は、14日目ではUV有の方が多い傾向があり、21日目は有意差があった。1〜7日目では産卵数に差がなかったため、UV無条件では産卵基質の探索行動に影響があると考えられた。そのため効率的で正常なクロマル、カスミカメの利用にはUV光を含むことが望ましいと考えられる。