19:00 〜 19:30
[W07-02] 研究者が知らない昆虫食の今
2014年にECショップとして創業したTAKEO株式会社は、国産・タイ産昆虫食品を製造販売する食品メーカー・商社として売上を拡大してきた。中でも国産昆虫シリーズは昆虫生産者からの相談を受けスタートし、加工、商品仕様の決定からブランディングまで伴走し、28品目を展開した。ECだけでは見えにくい顧客との双方向コミュニケーションを図るため、2017年に実店舗を上野に出店、2021年浅草に移転した。ここでは昆虫食に留まらず、昆虫全般に興味を持つ子供とその保護者の来店もあり、昆虫専門家との交流や、中高生の探求の相談、Vtuberとのコラボイベントなどへ発展した。浅草という立地から海外からの観光客、留学生や修学旅行生など、多様な顧客の様相が見えてきた。一方で昆虫食の社会受容の研究では「すり潰した方が受容性が高い」といった報告があるものの、売上とは相関しないなど、研究者が想定する顧客像とはギャップがあり、これは社会実装のリスクとなると考えられた。本発表は実店舗の日報を中心とした定性的な顧客分析結果を学会で共有することで、現在の顧客と、未来への社会実装を目指す研究者との協業を期待するものである。