[W15] 討論しよう！飛来性害虫の殺虫剤抵抗性管理

[W15-01] 殺虫剤抵抗性管理の基本と実践サイクル：飛来性害虫にどう応用するか？

◯atsushi yamamoto^1,2 (1. Nippon soda Co.,Ltd, 2. TF on IRM)

本小集会は討論を目的として企画した．これまで深く議論されなかった飛来性害虫の殺虫剤抵抗性管理について，話題提供者に参集者を加えて積極的な討論を行う．討論に先立ち，講演1では一般的な殺虫剤抵抗性管理の道筋とその実践サイクルを簡単にまとめる。講演2と3では，飛来性チョウ目害虫を題材に，我が国の現場の現状と今後の対策について問題提起する．本小集会では，飛来性害虫を2パターンでイメージする。①毎年あるいは数年に一度飛来してくるが，越冬できず定着しない場合（例：トビイロウンカ等）。②国内で越冬できない地域と越冬できる地域があり，国内越冬地も飛来源とする場合（例：コナガ等）．討論の焦点を，飛来源ではなく「飛来先・中継地・移動分散先の地域」で実際の防除と薬剤抵抗性管理をどのように考えたらよいか，という点に置く．その中で，薬剤抵抗性管理の実践サイクル（①薬剤感受性検定による現状の把握　→②殺虫剤抵抗性リスク評価によるリスクの見える化　→③抵抗性対策とIPMを組込んだ防除の実施）をどのように回せるのかも討論したい．また，山本らの一般講演でも，飛来性害虫トビイロウンカの殺虫剤抵抗性リスク評価を行い，防除・抵抗性対策を提案した事例を報告したので参考されたい．