[P-13-04] 訪問リハビリテーションにおける動画の情報提供サービスの試み
【目的】新型コロナウイルス感染症の影響により独居者への家族訪問の減少やサービス利用者の現状把握が困難になっている。交流の機会が減少した家族やケアマネージャーより、訪問リハビリテーション(以下、訪問リハ)内容について以前に増して状況を知りたいという現場の要望があり、新しいコミュニケーションツールの開発が期待されている。そこで当クリニックでは、訪問リハ内容の動画を情報提供するサービスとして、利用者の関係者に対するアンケート調査を行いニーズを検討し、その実現に向けたトライアルを行ったので報告する。
【方法】対象は、訪問リハを実施している利用者の家族とケアマネジャーの合計10名とした。アンケートは動画の情報提供サービスの利用後に実施した。アンケート項目は、訪問リハ内容の分かりやすさ、動画情報の分かりやすさ、動画サービスの利用のしやすさ、従来の情報提供と比較した有用性とし、最低点の1点から最高点の5点と定義した5段階評価法を用いて点数化した。また動画の情報提供サービスの希望の有無を2択式で聴取した。動画撮影は、訪問リハの練習風景とし、三脚にスマートフォンを設置した条件で、3分間撮影した。動画提供の頻度は、訪問リハの効果を家族やケアマネジャーが共有しやすいように、1ヶ月毎のリハビリテーション実施計画書を作成するタイミングに合わせて撮影し提供した。動画配信ソフトはvimeo(Vimeo,Inc社)を使用し、利用者の家族とケアマネジャーの限定公開、パスワードの発行によって安全面に配慮した上で、家族の容易なアクセスを可能とする設定とした。
【倫理的配慮】本研究に際して、利用者のプライバシーの保護には十分に配慮し、利用者と対象者に対して口頭による十分な説明の上、承諾を得て実施した。
【結果】アンケート結果の各平均点は、訪問リハ内容の分かりやすさ4.7点、動画情報の分かりやすさ4.8点、動画サービスの利用しやすさ4.1点、従来の情報提供と比較した有用性4.8点であった。動画の情報提供サービスを希望する回答者は10名中8名であった。
【考察】本研究により、訪問リハ利用者の家族及びケアマネジャーに対する動画の情報提供サービスは、高いニーズであることが明らかとなった。アンケート結果より、訪問リハ内容の分かりやすさや利用のしやすさの回答は高得点であり、容易なアクセスと有用性が示された。しかし、これまで訪問リハにおける動画の情報提供サービスの報告は無く、写真付き報告書やリハビリテーション実施計画書の提供のみが用いられていることが少なくない。今回の試みを通じて、感染症の影響による従来の情報提供から変化を求める現場のニーズにすばやく対応し、低コストで安全かつ簡単に動画を取り入れた報告書が実現できることが分かった。理学療法士は、先進的知見から遅延することなく、デジタル化やプライバシー保護の理解、動画配信システムの理解を進め、訪問リハ・在宅看護分野においてもより良いサービスを先駆的に実現していくことを期待したい。
【方法】対象は、訪問リハを実施している利用者の家族とケアマネジャーの合計10名とした。アンケートは動画の情報提供サービスの利用後に実施した。アンケート項目は、訪問リハ内容の分かりやすさ、動画情報の分かりやすさ、動画サービスの利用のしやすさ、従来の情報提供と比較した有用性とし、最低点の1点から最高点の5点と定義した5段階評価法を用いて点数化した。また動画の情報提供サービスの希望の有無を2択式で聴取した。動画撮影は、訪問リハの練習風景とし、三脚にスマートフォンを設置した条件で、3分間撮影した。動画提供の頻度は、訪問リハの効果を家族やケアマネジャーが共有しやすいように、1ヶ月毎のリハビリテーション実施計画書を作成するタイミングに合わせて撮影し提供した。動画配信ソフトはvimeo(Vimeo,Inc社)を使用し、利用者の家族とケアマネジャーの限定公開、パスワードの発行によって安全面に配慮した上で、家族の容易なアクセスを可能とする設定とした。
【倫理的配慮】本研究に際して、利用者のプライバシーの保護には十分に配慮し、利用者と対象者に対して口頭による十分な説明の上、承諾を得て実施した。
【結果】アンケート結果の各平均点は、訪問リハ内容の分かりやすさ4.7点、動画情報の分かりやすさ4.8点、動画サービスの利用しやすさ4.1点、従来の情報提供と比較した有用性4.8点であった。動画の情報提供サービスを希望する回答者は10名中8名であった。
【考察】本研究により、訪問リハ利用者の家族及びケアマネジャーに対する動画の情報提供サービスは、高いニーズであることが明らかとなった。アンケート結果より、訪問リハ内容の分かりやすさや利用のしやすさの回答は高得点であり、容易なアクセスと有用性が示された。しかし、これまで訪問リハにおける動画の情報提供サービスの報告は無く、写真付き報告書やリハビリテーション実施計画書の提供のみが用いられていることが少なくない。今回の試みを通じて、感染症の影響による従来の情報提供から変化を求める現場のニーズにすばやく対応し、低コストで安全かつ簡単に動画を取り入れた報告書が実現できることが分かった。理学療法士は、先進的知見から遅延することなく、デジタル化やプライバシー保護の理解、動画配信システムの理解を進め、訪問リハ・在宅看護分野においてもより良いサービスを先駆的に実現していくことを期待したい。
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