日本地震学会2020年度秋季大会

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Room C

Regular session » S08. Earthquake physics

[S08]PM-2

Fri. Oct 30, 2020 2:30 PM - 3:30 PM ROOM C

chairperson:Naofumi Aso(Tokyo Institute of Technology)

2:45 PM - 3:00 PM

[S08-02] Initial rupture process of the 2018 Hokkaido Eastern Iburi earthquake inferred from 2D/3D source imagings

〇Ryo Fujimoto1, Masanao Komatsu1, Hiroshi Takenaka1 (1.Graduate school of natural science and technology OKAYAMA UNIVERSITY)

2018年9月6日北海道胆振東部を震源とするMJMA6.7 の地震が発生した。本研究ではソースイメージング法 (Takenaka et al, 2009, EPS)を用い、地震波の放射強度の時空間変化から、初期の破壊過程を推定する。

この地震は震源近傍の地下構造や余震分布が複雑であるため、その破壊過程も複雑であると考えられる。そこではじめに、破壊過程の推定に断層面の仮定を必要としない3次元のソースイメージング法を、発震から4秒間に対して適用した。次に、気象庁初動発震機構解の断層パラメータを基に仮定した、走向286°、傾斜48°の断層面で2次元のイメージングを実施した。解析には気象庁、北海道、札幌市の震度観測点、防災科学技術研究所のK-NET、KiK-net観測点で記録された加速度波形記録を積分した、速度波形の上下動成分のP波部分を使用した。また、震源は気象庁一元化震源(北緯42.691°、東経142.007°、深さ37.0 km)を採用した。

 発震から4秒までの3次元イメージングの結果、発震から約3秒以降に、震源の北西から南西方向で放射強度の強い領域が見られた。この3次元イメージングの結果は気象庁初動発震機構解の北傾斜の節面と調和的であった。そこで、これを断層面と仮定した2次元のイメージングを実施した。その結果、同じく発震後から約3秒以降に震源の北西から南西方向で、放射強度の大きな領域が見られた。これらの結果より、発震後に震源から広がっていった破壊が発震から約3秒後に、震源の北西から南西方向で大きなすべりを引き起こしたと推定される。この震源の北西から南西方向の放射強度の大きな領域は、気象庁の推計震度分布図における震央西側の揺れの大きな領域の存在と調和している。



謝辞:防災科学技術研究所のK-NET、KiK-net及び気象庁、北海道、札幌市の強震観測データを使用しました。