日本地震学会2020年度秋季大会

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Session for Selection of Student Presentation Award

Session for Selection of Student Presentation Award » Room B (S07, S08)

[SPA]PM-3

Thu. Oct 29, 2020 4:00 PM - 5:00 PM ROOM B

chairperson:Makiko Ohtani(Earthquake Research Institute, the University of Tokyo)

4:40 PM - 4:50 PM

[S08P-15] Verification of conditions for intermittent events associated with powder shear using the Discrete Element Method

*Shinichi Oba1, YUTA Mitsui2 (1. Grasuate School of Science and Tecnology, Shizuoka University, 2. Faculty of Science, Shizuoka University)

自然地震(数十m以上の規模)では、すべり変位Dは断層長Lでスケールされることが知られている(Scholz, 1982; Dawers et al., 1993)。この種の地震のスケーリング関係は、小さい側には、室内実験における岩石の微小破壊(AE)まで延長できるのかもしれない(Yoshimitsu et al., 2014)。一方、室内実験におけるスティック-スリップは地震現象の有力なアナログと考えられてきたが、我々は、実験研究者により出版されている18の論文のデータから、自然地震のL-Dスケーリング関係との乖離を発見した。具体的には、自然地震のスケーリング関係の延長よりも実験のすべり変位Dは大きくなる傾向にある。とりわけ、人工的なガウジを挟んだすべり実験では、この傾向が顕著に見られた。

この結果に基づいて、本発表では、粉体の摩擦にコントロールされたスティック-スリップについて理解を深めるため、3次元個別要素法に基づく粉体せん断の数値シミュレーション(e.g., Hazzard and Mair, 2003)による数値実験を行う。事前の予備実験により、ある種の条件下では自発的にスティック-スリップのような間欠的なイベントが発生することを確認できた。このための条件やその様態の変化について、粉体の大きさ(粒径)・回転の有無・パッキングの状態などを変えながら調べる。現在のところ、イベントの最大すべり速度に対して、粒径が負の相関を示すこと、および、パッキングの強さが複雑に影響を及ぼすことがわかっている。また、この2つのパラメータと比較して、背景のせん断速度の影響は小さいことを確認している。