The 2024 SSJ Fall Meeting

Presentation information

Room C

Regular session » S14. Earthquake prediction and forecast

[S14] PM-2

Wed. Oct 23, 2024 3:15 PM - 4:45 PM Room C (Medium-sized Conference room 302 (3F))

chairperson:Masashi KAMOGAWA, Kiwamu Nishida(ERI, the university of Tokyo)

3:30 PM - 3:45 PM

[S14-06] Is a Massive Sardine Die-Off and Beaching Event in Japan an Earthquake Precursor?

*Yoshiaki ORIHARA1 (1. Faculty of Education, Tokyo Gakugei University)

2024年1月1日、能登半島でマグニチュード7.6、最大震度7の地震が発生した(気象庁, 2024)。前月の12月7日には北海道函館市に大量のイワシやサバの死骸が漂着し(朝日新聞, 2023a)、同月13日には北海道江差町にも死骸を含むイワシが漂着した(讀賣新聞, 2023)。さらに、同13日には三重県志摩市でもイワシの大量死が見つかっている(朝日新聞, 2023b)。こうしたイワシの大量死・大量漂着が、2024年能登半島地震の前兆だったのではないかと、SNSや一部週刊誌で話題になった。

大地震が発生し、その前にいつもと違う出来事(異常現象)が起きると、それが大地震の前兆だったのではないか、と両者を結びつけて考える人がいる。しかし、同様の異常現象は過去にも起きていた場合が多々ある。例えば、鯨類が集団で海岸に打ち上げられるマス・ストランディングは、2011年東北地方太平洋沖地震の7日前に茨城県の鹿島灘に面した海岸で発生しているが、同じ海岸では、それ以前にも複数のマス・ストランディングが記録されている。そして、その後に東北地方や関東地方で大地震はなかった(織原・野田, 2015)。さらに、2015年4月10日には、2011年3月4日の54頭の約3倍となる156頭のマス・ストランディングが、茨城県鉾田市の海岸で発生している。しかし、その後に2011年東北地方太平洋沖地震のような巨大地震は発生しなかった。また、ボラの大量死についても、地震の前兆ではないかといわれることがあるが、大地震との関連性を見出すことはできなかった(織原, 2022)。

本発表では、新聞記事等から拾い上げたイワシの大量死・大量漂着と、最大震度6弱以上の地震との関連性を統計的に検証した結果を示す。今回の調査でイワシの大量死・大量漂着は、1944年4月千葉県のイベントまで遡ることができた。しかし、それ以降は1981年4月新潟県まで37年間報告を見つけることができなかった。その後も、1991年、2001年、2009年と報告は飛び飛びだった。2012年からは本年2024年まで、毎年イワシの大量死・大量漂着が報告されている。

謝辞:本研究は東京大学地震研究所共同利用(2024- KOBO03)の援助をうけました。