3:45 PM - 4:00 PM
[S14-07] Unnoticed Strong Seismic Vertical Shock Waves - Part 2 -
- A proporsal to predict right befor quakes by radio noise observation (2/2) -
1.はじめに
地震鉛直衝撃波の存在とその被害は,これまで無いことにされているため,その状況を是正すべく,土木学会関西支部の調査研究委員会の活動と成果報告書を踏まえ、その広報・啓発活動を東日本大震災の翌年から,年次発表会等を利用して行っています.一昨年に日本列島では大地殻変動が続いていることに気付き,原発の安全性の確認が必要なことの警鐘を,急遽数回発表しました.その活動に合わせるかのように,能登半島地震が今年の元日に起き甚大な被害が生じました.前篇では,大地殻変動の状況から見た教訓を述べ,地震直前予知の実用化は,地震鉛直衝撃波を観測するにも必要で、ラジオの騒音観測の研究を提案しました.本篇では,地殻変動状況と原発の危険性を再確認し,地震直前予知の実用化について一つの展開案を述べます.
2.大地殻変動の状況と原発の安全性への警鐘
図1a,cは東日本太平洋沖地震の前後で日本列島の地殻変動の様相が一変したことを表し,その状態は図2に示す巨大地震での1年間の地殻変動形態とも異なります.図2の広範囲の変動が,図3に示す二重破線付近を軸として収れんした形が図1cの変動状態で,現在もこの変動形態が続いています.図3はその5年間分の変動状況を表し,破線の軸の南北で方向が異なる渦変動A,Bを伴っています.図3の渦Bの変動で,房総半島から長野県北部にかけての◇部分の地塊は行き場がない状態です.図4は中部から東北地方の10年間の変動を表し,青印は原発の位置です.図5は宮城県と福島県沖で,'22,'23年にはM7級の地震が4件連発し,その後M6,M5級が,場所を少し変えて起きています.防衛省仕様の艦船は船底下10m程で爆発する魚雷等への対策が,地震鉛直衝撃波の対策を兼ねていますが,原発はその対策がなく大変危険な状態です.
図6a,bは能登半島地震で,図3の◇部分の地塊が北に動いたことを表し,図6cは一か月間の地盤変動図です.幅200kmを超す地塊が北西側に収れんする変動を表しているが,能登半島北辺の断層群は西南西への動きを伴う逆断層の変動(震源断層変動)をしました.図6cの地盤変動形態がこの震源断層変動を起こさせたのです.その一連の動きが図4や3の変動状況下で起きました.断層変動の根本は地殻変動なので,原発の耐震性を決める地震の規模は,見かけの断層長さだけでは決め難く,原発の耐震安全性には疑義が伴います.
3.地震直前予知にラジオ騒音観測の提案と一つの展開案
能登半島の北端部では群発地震が発生しており以前から大地震の発生が危惧されていました.このように大地震の発生が危惧される地域では,地震の発生時期と場所を特定する観測法を実用化する必要があります.
それには,兵庫県南部地震の時に電波の雑音を広範囲に観測した経験を生かす提案をします.その中のラジオ雑音の受信例を3点抜粋して次頁の下段に記します.文献1)には長距離トラックの高橋運転手の体験が詳しく載せてあり,要点を抜粋して略記します.文献2)には多数の体験例があり,その内の2例を転記します.中波帯でのラジオの騒音観測は,何処でも誰でもでき,現在ではその情報交換と共有が容易にできる時代です.雷の空震と区別するアンテナの入手が現在困難なようですが,解決されるべき課題です.
ともあれ,このような簡単な観測法が,なぜ今まで本格的な研究の対象にされなかったのか不思議です.体験例の(2)と(3)では受信周波数に不一致の部分がありますが,雑音の強弱と受信場所の分布を,地震発生の一週間程前から判別でき得ることを表しています.こうした騒音分布の観測経験を市民レベルで共有すれば,避難のあり方も当事者で判断することも可能になり,地震防災には大変有効な手法として期待されます.
地震鉛直衝撃波の存在とその被害は,これまで無いことにされているため,その状況を是正すべく,土木学会関西支部の調査研究委員会の活動と成果報告書を踏まえ、その広報・啓発活動を東日本大震災の翌年から,年次発表会等を利用して行っています.一昨年に日本列島では大地殻変動が続いていることに気付き,原発の安全性の確認が必要なことの警鐘を,急遽数回発表しました.その活動に合わせるかのように,能登半島地震が今年の元日に起き甚大な被害が生じました.前篇では,大地殻変動の状況から見た教訓を述べ,地震直前予知の実用化は,地震鉛直衝撃波を観測するにも必要で、ラジオの騒音観測の研究を提案しました.本篇では,地殻変動状況と原発の危険性を再確認し,地震直前予知の実用化について一つの展開案を述べます.
2.大地殻変動の状況と原発の安全性への警鐘
図1a,cは東日本太平洋沖地震の前後で日本列島の地殻変動の様相が一変したことを表し,その状態は図2に示す巨大地震での1年間の地殻変動形態とも異なります.図2の広範囲の変動が,図3に示す二重破線付近を軸として収れんした形が図1cの変動状態で,現在もこの変動形態が続いています.図3はその5年間分の変動状況を表し,破線の軸の南北で方向が異なる渦変動A,Bを伴っています.図3の渦Bの変動で,房総半島から長野県北部にかけての◇部分の地塊は行き場がない状態です.図4は中部から東北地方の10年間の変動を表し,青印は原発の位置です.図5は宮城県と福島県沖で,'22,'23年にはM7級の地震が4件連発し,その後M6,M5級が,場所を少し変えて起きています.防衛省仕様の艦船は船底下10m程で爆発する魚雷等への対策が,地震鉛直衝撃波の対策を兼ねていますが,原発はその対策がなく大変危険な状態です.
図6a,bは能登半島地震で,図3の◇部分の地塊が北に動いたことを表し,図6cは一か月間の地盤変動図です.幅200kmを超す地塊が北西側に収れんする変動を表しているが,能登半島北辺の断層群は西南西への動きを伴う逆断層の変動(震源断層変動)をしました.図6cの地盤変動形態がこの震源断層変動を起こさせたのです.その一連の動きが図4や3の変動状況下で起きました.断層変動の根本は地殻変動なので,原発の耐震性を決める地震の規模は,見かけの断層長さだけでは決め難く,原発の耐震安全性には疑義が伴います.
3.地震直前予知にラジオ騒音観測の提案と一つの展開案
能登半島の北端部では群発地震が発生しており以前から大地震の発生が危惧されていました.このように大地震の発生が危惧される地域では,地震の発生時期と場所を特定する観測法を実用化する必要があります.
それには,兵庫県南部地震の時に電波の雑音を広範囲に観測した経験を生かす提案をします.その中のラジオ雑音の受信例を3点抜粋して次頁の下段に記します.文献1)には長距離トラックの高橋運転手の体験が詳しく載せてあり,要点を抜粋して略記します.文献2)には多数の体験例があり,その内の2例を転記します.中波帯でのラジオの騒音観測は,何処でも誰でもでき,現在ではその情報交換と共有が容易にできる時代です.雷の空震と区別するアンテナの入手が現在困難なようですが,解決されるべき課題です.
ともあれ,このような簡単な観測法が,なぜ今まで本格的な研究の対象にされなかったのか不思議です.体験例の(2)と(3)では受信周波数に不一致の部分がありますが,雑音の強弱と受信場所の分布を,地震発生の一週間程前から判別でき得ることを表しています.こうした騒音分布の観測経験を市民レベルで共有すれば,避難のあり方も当事者で判断することも可能になり,地震防災には大変有効な手法として期待されます.