The 2024 SSJ Fall Meeting

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Poster session (Oct. 22nd)

Regular session » S15. Strong ground motion and earthquake disaster

[S15P] PM-P

Tue. Oct 22, 2024 5:15 PM - 6:45 PM Room P (Main Hall (2F))

[S15P-04] Estimation of the SMGA’s for the 2022 Chihshang, Taiwan earthquake.

*Jumpei Yamada1, Yasuhiro Kaida1, Haruhiko Suzuki1, Shumpei Manabe1, Si Hongjun2, Diao Hongqi2, Kazuo Dan3 (1. OYO corporation, 2. Seismological Research Institute Inc., 3. University of Kumamoto)

1.はじめに
2022年9月、台湾東部・台東県池上においてMw 7.0(Global CMT)の地震(以下、2022年台湾池上地震と呼ぶ。)が発生し、断層近傍の観測地点では、明瞭な速度パルスが観測された。Diao・他(2024)や、Lee et al.(2023)では、2022年台湾池上地震を対象にすべり分布モデルを構築し、東傾斜と西傾斜の向かい合う2つの断層面を設定している。大きなすべり量の領域は、西傾斜の断層面内のみに存在し、震源から北東方向に向けて破壊が進行することを示している。本稿では、Diao・他(2024)で求められたすべり分布モデルを参考に、壇・佐藤(1998)の経験的グリーン関数法を用いてSMGAモデルの推定を実施した。

2.解析手法
2022年台湾池上地震は、震源インバージョンの結果から向かい合う2枚の断層によって構築されている。東傾斜の断層は、西傾斜の断層に比べてすべり量は小さく強震動への寄与は少ないことが考えられる。Diao・他(2024)の結果を基に波数積分法を行った結果、東傾斜の断層のすべりが強震動に大きく寄与しないことは確認されている。そこで本検討では、大きなすべり量の領域を有する西傾斜の断層を対象にSMGAモデルの推定を行った。SMGAモデルの推定は、以下の手順で行った。

A)経験的グリーン関数に用いる要素地震の選定
B)ω⁻²モデルに基づく理論震源スペクトルと観測記録から得られる震源スペクトルのフィッティングから要素地震のコーナー周波数を推定し、応力降下量や断層面積などの要素地震の断層パラメータを設定
C)三宅・他(1999)によるSSRF法によりSMGAモデルの初期モデルを推定
D)Asano and Iwata (2012) のSMGAの位置決定手法より、大まかなSMGAの位置と破壊伝播速度を決定
E)SMGAの配置や面積、応力降下量、破壊開始点を試行錯誤により決定
SMGAの破壊伝播速度は、Asano and Iwata (2012) のSMGAの位置決定手法より3.2 km/s と求まった。

3.結果
図1に推定したSMGAモデルと、加速度波形、速度波形、それらフーリエスペクトルにおいて観測記録(黒線)と解析結果(赤線)の比較を示す。推定したSMGAモデルは、3つに分けられ震源から北東方向へと破壊が進行する結果となった。Diao・他(2024)のすべり分布モデルの結果と比較すると、すべり量の大きな領域とSMGAの位置が概ね対応した結果が得られた。観測記録と解析結果の比較の例として、地表断層面に対して西側の観測地点(図中右上)と、東側の観測点(図中右下)の2つの結果を図1に示す。両地点とも加速度波形および速度波形の形状、フーリエスペクトルの両者で整合的である。しかし、地表断層近傍の観測点の結果では、観測記録で得られた速度パルスに比べて解析結果が過小評価になる地点が見られた。地表断層近傍の再現性向上には、LMGAや非線形効果の検討が必要であると考えられる。