The 2024 SSJ Fall Meeting

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Poster session (Oct. 22nd)

Regular session » S15. Strong ground motion and earthquake disaster

[S15P] PM-P

Tue. Oct 22, 2024 5:15 PM - 6:45 PM Room P (Main Hall (2F))

[S15P-05] Shallow survey with small microtremor arrays: illustrative examples at stiff sites in the Kyushu region, Japan

*Ikuo Cho1, Keiya Yoneoka1, Daisaku Kawabata1, Yoshinori Miyachi1 (1. Geological Survey of Japan, AIST)

我々は,経済産業省の知的基盤整備計画に基づき九州北部の斜面災害リスク評価の一環として,九州地域で微動アレイ探査を実施している.探査目的は,微動アレイを高密度で展開し,各アレイ直下の深さ10, 20, 30 mまでの平均S波速度(AVS10, 20, 30)と地盤の共振周波数(H/Vスペクトルのピーク周波数),深さ数10 mまでの1次元的なS波速度(Vs)構造を面的に評価することである.この目的のため,阿蘇カルデラ東麓では15 km x 17kmのエリアの171箇所で微動アレイ探査を実施した(長他, 2023).また鹿児島市吉野町を中心とする台地では5 km x 5 kmのエリア内の約160箇所で微動アレイ探査を実施中である. 

このような稠密微動アレイ探査を実施するあたっては観測効率の向上が必須である.そのためにはサイトの状況(地盤・震動環境)に合わせて適切にアレイを使い分けること(極小アレイ,小アレイ,直線アレイ,L字アレイ等)が鍵となる(長,2024; Cho and Nakazawa, 2024).使い分けの1つとして,山間の締まった地盤や岩盤ではSN比がかなり低くなりがちだが,我々はそのような場所では直線アレイを2回設置する「L字アレイ」で対応する案を提示した(Cho, 2023).このL字アレイは観測効率の良い極小アレイと小アレイの組み合わせと比べて観測効率やアレイを展開するためのスペース確保の観点からやや使い勝手が悪いものの,それらのアレイではそもそも適切な位相速度分散曲線が得られないほどSN比が低い場合にも対応できるという期待がある. 

筆者らは上記の阿蘇カルデラ東麓や吉野町の稠密アレイ観測地点では適宜L字アレイを用いたが,一般的にはこの方法はまだあまり知られておらず適用例が少ない.そこで本発表ではこのL字アレイの観測,解析事例として,大分県竹田市の市街地で実施した観測,解析について紹介する.また,2つの硬質地盤サイト(鹿児島県鹿児島市,南九州市)でジオフォン3個を用いて構成した直線アレイに類似の方法を適用して分散曲線及びAVS値を評価した事例を紹介する.

Cho, I., 2023, Spatial autocorrelation method for simple microtremor array survey at rock/stiff-soil sites, Geophys. J. Int., 233, 1296-1317. doi:10.1093/gji/ggac522
長郁夫・米岡佳弥・川畑大作・宮地良典・星住英夫・下司信夫,2023, 阿蘇カルデラから東部の火砕流堆積域における浅部微動アレイ探査:予備調査, 地質調査総合センター速報, No.84, 121-128.
長郁夫,2024, 微動アレイによる浅部構造探査システム,基礎工,52, No. 3, 14-17.
Cho, I., & Nakazawa, T. (2024). Shallow microtremor array survey using miniature and small arrays: Strategy for efficient and feasible dense survey. Earth and Space Science, 11, e2023EA003472. https://doi.org/10.1029/2023EA003472