The 2024 SSJ Fall Meeting

Presentation information

Poster session (Oct. 21st)

Late-Breaking Session » S23. The 2024 Hyuga-nada Earthquake and its Effects

[S23P] PM-P

Mon. Oct 21, 2024 5:15 PM - 6:45 PM Room P (Main Hall (2F))

[S23P-22] Investigation of effective use of Nankai Trough earthquake contingency information in local communities

*Kazuhito Fujisawa1, Atsuko Nonomura1, Mari Takahashi1, Yoshiyuki Kaneda1, Narumi Takahashi2 (1. Univ. of Kagawa, 2. NIED)

東日本大震災後に地震情報の体系が大幅に見直され,2019年3月から南海トラフ地震臨時情報の運用が始まった. 同年5月には,「南海トラフで巨大地震が発生する可能性が高まった」という臨時情報が出た場合の対応について、政府の中央防災会議によって、国の防災計画に盛り込まれた。運用が始まったが、発表されたとしても南海トラフ地震が発生しない空振りとなる可能性もあるなど, 不確実性の高い情報であることから,本情報が発表された場合の対応について具体的に検討しておくことは難しい。一方,南海トラフ地震で津波による浸水が懸念される地域では,地震が発生してから津波による浸水が始まるまでに避難を完了していることを目標として掲げても,避難に支援を要するよう人たちにとっては津波が来るまでに津波浸水想定区域の外への避難が難しいと考える人にとっては,南海トラフ地震臨時情報を活用した従来の避難計画の見直しなど、地域防災活動を考える上で有効な情報にとなるとも考えられる。
 そこで,本研究では,香川県坂出市およびさぬき市において,地域コミュニティにおいて,南海トラフ地震臨時情報に関するワークショップを行い,ワークショップでの意見およびワークショップ前後で実施するアンケート調査データを用いて地域防災活動における南海トラフ地震臨時情報の活用手段について検討する。
 香川県では,南海トラフ地震が発生すると,1時間半から2時間後に瀬戸内海沿岸に津波が到達すると想定されている。津波避難ビルが指定されている自治体もあるが,地震発生から津波到達まで時間的猶予があることから,これまで南海トラフ地震の際の避難について考えるワークショップでは,浸水区域外への避難について考える際には,浸水区域外への避難を第一の目標と掲げて話し合いを進めることが多いが,その場合,浸水区域外に徒歩で避難することが難しい高齢者や支援者は,浸水区域内であっても「自宅に留まる」ことを選択する人が少なくなかった。一方,南海トラフ地震臨時情報が発表されると,臨時情報で警戒を呼び掛けている間に南海トラフ地震が発生し,津波が来るかどうかは不確実ではあるが,前もって備える時間はある。このような情報を地域の防災・減災に落とし込めるかどうかについて検討する。また,2024年8月8日の日向灘地震後に発表された南海トラフ地震臨時情報に対する対応についても、地域の対応について報告する。