The 2024 SSJ Fall Meeting

Presentation information

Poster session (Oct. 21st)

Late-Breaking Session » S23. The 2024 Hyuga-nada Earthquake and its Effects

[S23P] PM-P

Mon. Oct 21, 2024 5:15 PM - 6:45 PM Room P (Main Hall (2F))

[S23P-24] The surveys about the Nankai Trough Earthquake Extra Information in August 2024 and the results

*Akiko TAKEO1, Hisahiko KUBO2, Ryo KURIHARA3, Kotaro TARUMI4 (1. Earthquake Research Institute, the University of Tokyo, 2. National Research Institute for Earth Science and Disaster Resilience, 3. Hot Springs Research Institute of Kanagawa Prefecture, 4. Graduate School of Science, Hokkaido University)

2024年8月8日、日向灘でモーメントマグニチュード7.0の地震があり、気象庁は南海トラフ地震臨時情報(調査中)を発表した。その後の検討委員会を経て南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)の発表と1週間の呼びかけが行われ、テレビでL字型の注意が出る、東海道新幹線の速度制限が行われる、一部地域で生活必需品や災害備蓄品が品薄になるなど、様々な社会的な対応・影響があった。本研究では、この南海トラフ地震臨時情報(以下、臨時情報)を地震学者がどう捉え行動したのか、また、一般の方々の捉え方や行動と大きく異なるのかを調べるため、緊急アンケートを行った。

アンケートは2回に分けて行った。1回目は研究者及び関係者を対象とし、2024年8月19日に開始し、27日午前に終了した。2回目は一般を対象とし、2024年8月27日に開始し、9月3日午前に終了した。どちらも導入用のWebページとアンケート本体であるgoogle formを用意し、関係者向けでは協力者のMLやSlackを通じて、一般向けではXを始めとする協力者のSNSを通じて展開を行った。関係者向けにおいて情報を送っていただいたMLや組織等は14箇所、交流Slack等が10箇所であり、送り先の総数は4600人ほど(重複含む)である。一般向けのXにおけるWebページへ誘導するポストの閲覧回数は8510回(重複含む)である。

質問項目は以下の5つの大項目にわけることができる。すなわち、「属性」(専門や年齢、居住地など)、「備え」(日頃から行っている、もしくは、臨時情報を受けて行った防災行動)、「行動」(臨時情報を受けて行った調査・情報発信など)、「知識」(臨時情報についてどこまで知っていたか)、「捉え方」(臨時情報の制度や各機関・社会の反応をどう思うか)の5つである。一般向けでは属性・行動・知識に関する項目をそれぞれ減らしたが、比較を行うため基本的な構成は同じである。

結果の公開に同意いただいた回答数は、関係者向けでは260件、一般向けでは133件である。2つのアンケートの結果を比べると、「備え」に関しては関係者向けの方が日頃から備えている割合が高く、特に緊急時連絡先の確認や非常用トイレの備え、家具の固定など特定の項目に違いが見られた。「知識」に関しても関係者の方が臨時情報制度の認知度が高いことが伺えた。「捉え方」については多くの項目で明瞭な違いが見られなかったが、新幹線の減速、海水浴場の閉鎖や旅行の再検討については関係者の方が必要ないと回答する傾向にあった。今後、これらの結果の違いが有意であるのか、他にどのような類似性・相違性があるのか解析・検証していく予定である。臨時情報をどう思うかに関する自由記述欄は、関係者向けでは回答数の約1/3にあたる80件、一般向けでは回答数の約1/4にあたる33件のコメントがあった。400字前後の長文コメントも多いことから、アンケートの回答者は臨時情報への関心が高い人が多い可能性には留意する必要がある。また、この自由記述についても今後集計していく予定である。

アンケートの共有や回答に協力していただいた方に、あらためてお礼申し上げる。