[S23P-25] Survey on the response of some students in Kochi /Kagawa prefectures to Nankai trough special advisory information on August 8
2024年8月8日の南海トラフ地震震源域において日向灘地震(M7.1)が発生した。これを受けて気象庁は臨時情報(巨大地震注意)を発表した。これは気象庁から初めて発表された臨時情報(巨大地震注意)であり、結果として多くの行政・市民が動揺した状況が発生した。南海トラフ地震の被害想定地域の行政機関、特に沿岸域の自治体では様々な対応が見られた。四国地域では「よさこい祭り」、「阿波おどり」、「高松まつり」といった大きな規模の夏祭りが予定されており多くの観光客を迎える時期であることから、その対応が注目されたが十分な防災対策を取った上で予定通り実施され、大きな混乱もなく終了した。ただし、最大の津波が想定されている高知県黒潮町では避難所を開設し、第一波の津波到達時間が早い和歌山県白浜町では、ピークを迎えている海水浴時期にも関わらず海水浴場を閉鎖するといったように各自治体で様々な対応が取られた。 本来、臨時情報(巨大地震注意)が発表された際には、日常生活を特段変えることなく、迅速な避難が出来る態勢をとることであるが、初めての臨時情報(巨大地震注意)発表であり、これまでこの臨時情報の認知度が低かったこともあり、防災グッズや食料・水ならびにガソリンなど急いで求めた市民も少なくなかった。このような状況で、夏休み中であった学生たちはどのような対応をしたかを把握するため臨時情報に関するアンケート調査を実施した。このアンケート調査は、「防災対策に資する南海トラフ地震調査研究プロジェクト」における「創成情報発信研究」の1つである「情報リテラシー向上」研究課題に基づき実施した。対象は香川大学と一部の高校、高知大学の一部学生ならびに一部の小中学校である。アンケートの内容は、臨時情報発表直後の反応、発表後の対応および臨時情報発表終了後の反応である。本アンケートに関しては多くの学生が夏季休暇中であることから現在、集計・解析中であるが南海トラフ地震震源域に近接する高知県の学生と瀬戸内の香川県の学生の対応の違いが見られるか否かが「情報リテラシー向上」の研究課題においても重要な情報となる。本発表では現在進行中のアンケート調査の集計並び分析結果について報告し、今後の臨時情報の対応の向上を図るものである。