一般社団法人日本学校保健学会第68回学術大会

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一般演題(口演)

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O-50~O-55 特別支援教育/インクルーシブ教育

座長:竹鼻 ゆかり(東京学芸大学)

[O-51] 発達障害をもつ子どもの「きょうだい児」に対する養護教諭の支援の現状

石川 ふみよ1, 田村 南海子1, 伊藤 正恵2 (1.上智大学 総合人間科学部 看護学科, 2.心身障害児総合医療療育センター 看護相談・医療連携)

キーワード:きょうだい児、発達障害、

【目的】発達障害をもつ子どものきょうだい児への小中学校における支援の現状を明らかにする。【方法】小中学校の養護教諭6名を対象にインタビュー調査を行い質的帰納的に分析した。【結果】きょうだい児を認識するきっかけとして<学校生活の状況から推察する><保健室への来訪状態で知る>などが抽出された。きょうだい児の特徴としては、<我満をしている><障害のある子の援助者となることを親から期待される><精神的に病んでしまうことがある>などが抽出された。養護教諭が大切にしていることとして<きょうだい児を主体として関わる><保護者の信頼を得られるように関わる>などが抽出された。親への対応として、<親の思いや考えを受け止める><きょうだい児への対応についてアドバイスする><地域の相談機関を紹介する>などが抽出され、きょうだい児に対しては<きょうだい児と関係性を築く><頑張っていることを認める><障害のある子への対応方法をアドバイスする><きょうだい児に親の考えを話す><学校生活を送れるよう支援する><情報共有についてきょうだい児に確認する>などが抽出された。学校全体での取り組みとして、<クラス、学校全体で多様性を認められるような教育を行う>などが抽出された。課題としては、<親へどこまで踏み込んでよいか分からない><学外との連携が不十分>などが抽出された。【結論】発達障害をもつ子どものきょうだい児の特徴や必要な支援が明らかになり、今後の支援者育成への示唆を得た。