4:00 PM - 4:15 PM
[2Gp-05] Relations between brown rice appearance and several rice properties.
Keywords:Brown rice, Cooked rice
【目的】 農林水産省が検討を行なっている「穀粒判別器等の普及と精度向上に向けた技術開発の推進」では玄米・精米の生産・検査現場にもIT技術の効果的活用が望まれる状況となっている。これを受けて、農産物検査データでは穀粒判別器を前提とした規格が導入された。この研究では、データ化された農産物検査データを精白米および米飯の各データの予測に用いる可能性を検討するために、相互の関係性について調査したので報告する。【方法】 国内に流通している令和4年産の水稲194銘柄について、穀粒判別器による検査データを得た。また、試験用簡易搗精機による精米時の白度・容積重の挙動および歩留まりデータを得た。さらに、米の調理加工適性を数値化した。具体的には、1)テンシプレッサーによる米飯物性(硬さ、粘り)を評価し、2)米品質指標である糊化特性データをRVA機により得た。穀粒判別器データと精米および米飯データの相関を求めた。【結果】 着色粒と白未熟粒割合は玄米白度および精米白度と高い正の相関を示した。また、精白米の容積重は胴割粒割合と高い正の相関を示した。これは搗精により精米中に砕粒が発生することで間隙が埋まることによると考えられる。白未熟粒の割合が高くなると精白米中のショ糖濃度が高まり、デンプンのアミロース含有率が減少する相関を示した。アミロース含量が低下することで高いRVAのブレークダウン値を示したと考えられる。これは高温登熟米での食味評価にアミロース含有率が利用できないことと同様である。 米飯特性では死米および白未熟粒割合と米飯厚みに負の相関が見られ、その他の異常粒を除いた「整粒等」は正の相関を示した。厚みは米飯商品の「盛り」につながると考えられる。 この研究は、令和3年度農林水産研究推進事業委託プロジェクト研究(AI画像解析等による次世代穀粒判別器の開発)において行われた。