[P-2-135] SPACE法を用いた頸動脈プラーク性状評価の検討
【目的】SPACE法を用いて頸動脈プラークの性状を評価する。【方法】2013年7月から2014年3月までにSPACE法を用いたT1強調像、T2強調像で頸動脈が撮影され、頸動脈内膜剥離術が施行された18例(男性17名、女性1名、平均年齢71.1歳)を対象とした。SIEMENS社製 MAGNETOM ESSENZA 1.5Tを使用した。SPACE法のシーケンスのパラメーターは、T1強調像(TR/TE=784/13, Turbo factor 37, FOV=253mm, voxel size=1.0×1.0×1.0 mm3)、T2強調像(TR/TE =1400/193, Turbo factor 95, FOV=253mm, voxel size=1.0×1.0×1.0 mm3)である。T1・T2強調像で頸動脈プラークが最大面積となる横断像を選択し、頸動脈プラークと近傍の胸鎖乳突筋内にROIを置き、信号強度を計測した。プラーク筋肉間コントラスト比は、プラーク信号強度/筋肉信号強度で算出した。病理医が摘出標本におけるlipid/necrotic、出血、線維、石灰化成分比を評価した。lipid/necrotic、出血成分が50%を超える場合をsoftプラーク、線維、石灰化成分が50%を超える場合をhardプラークとした。soft・hardプラーク間のプラーク筋肉間コントラスト比をMann-Whitney testで検定した。【結果】13症例がsoftプラーク、5症例がhardプラークと判定された。T1強調像においてsoftプラークのプラーク筋肉間コントラスト比(1.54±0.25)は、hardプラークのプラーク筋肉間コントラスト比(1.17±0.13)に比べ、有意に高かった(P<0.001)。T2強調像においてsoftプラークのプラーク筋肉間コントラスト比(2.31±1.07)と、hardプラークのプラーク筋肉間コントラスト比(2.33±0.98)に有意差は認められなかった(P>0.05)。T1強調像においてプラーク筋肉間コントラスト比が1.28以上をsoftプラーク、1.28以下をhardプラークとした場合、感度92.3%、特異度80.0%、正確度88.9%であった。【結論】SPACE法は、頸動脈プラークの性状評価に役立つ可能性がある。