資源・素材2023(松山)

講演情報(2023年8月10日付 確定版)

企画講演

【企画講演】最近の石炭等エネルギーの開発・利用の動向[9/14(木) AM 第3会場]

2023年9月14日(木) 09:00 〜 12:10 [第3会場] 4F EL43(共通講義棟C)

09:41 〜 09:59

[3301-10-03] 地下微生物を利用したCO2の原位置メタン変換技術の検討

○菅井 裕一1、江﨑 丈裕1、井上 裕斗1 (1. 九州大学)

キーワード:CO2、水素、メタン菌、メタネーション、かんらん石

CCSにおいて地下に貯留されたCO2を、地下に生息する微生物によってメタンに変換し、将来的に天然ガス資源として再利用することが検討されている。CO2をメタンに変換する微生物はメタン菌と呼ばれており、偏性嫌気性菌であるメタン菌は、一般にCCSの対象となるような地下深部に普遍的に生息している。メタン菌によるCO2のメタン変換のためには水素が必須であり、地下においてメタン菌に水素を供給する必要がある。発表者らは、枯渇油田に貯留したCO2のメタン変換を想定し、取れ残し石油の一部を分解して水素を生成する石油資化性水素生成菌を用いて水素を生成させる検討を行った。同研究によれば、メタン菌と水素生成菌が共存する培養系に、CO2と石油を供給することによりメタンの生成が確認されている。しかしながら、その生成速度が極めて遅く、とりわけ水素生成速度が反応の律速になっていることが明らかになった。そこで、石油からの水素生成ではない、別の水素源を検討しており、地下に存在する鉱物であるかんらん石に着目した。かんらん石が蛇紋岩化する際に水素が発生する反応に着目して検討を行ったところ、メタン菌が生息可能な温度(70℃)においても水素の発生が認められた。さらに、メタン菌をかんらん石とCO2とともに培養した結果、メタンの生成が確認された。これらの結果から、かんらん石を含むような地下貯留層ならびに帯水層におけるCCSにおいて、メタン菌によるCO2のメタン変換の可能性が示唆された。

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