資源・素材2023(松山)

講演情報(2023年8月10日付 確定版)

企画講演

【企画講演】最近の石炭等エネルギーの開発・利用の動向[9/14(木) AM 第3会場]

2023年9月14日(木) 09:00 〜 12:10 [第3会場] 4F EL43(共通講義棟C)

11:16 〜 11:34

[3301-10-08] 空気酸化とギ酸還元を利用した温和な条件での石炭低分子化法の開発

○任 傑1,2、蘆田 隆一2、河瀬 元明2、堺 康爾3、奥山 憲幸3 (1. 秋田大学、2. 京都大学、3. 神戸製鋼所)

キーワード:石炭、ギ酸、低分子化、温和な条件、熱軟化溶融性

CO2の排出量を削減するために、石炭の非燃料用途の利用法(non-fuel utilization)が最近注目されている。石炭の低分子量成分(分子量 < 1000 g/mol)は,炭素繊維,黒鉛電極など付加価値が高い炭素材料の原料となる。石炭を燃料用途のみならず,炭素材料の原料として有効利用するためには、石炭の低分子化法の開発が鍵となる。しかし、従来の石炭の低分子化法では、触媒、溶媒が必要であり、かつ高温高圧など過酷な条件が必要であるため、熱エネルギーと設備コストが莫大になる。この問題を解決するには、温和な条件での石炭の低分子化法の開発が必要とされている。
本研究では、温和な条件で水素ラジカルを提供できるギ酸蒸気と空気を同時に石炭に供給することで、空気酸化反応による石炭分子の化学結合の切断と、酸化切断で生成した石炭ラジカルのギ酸蒸気による安定化を組合せた新規石炭低分子化法を提案し、その有効性を実証した。触媒不使用、90 ℃、1 atmの条件で、石炭の低分子量成分を原炭低分子量成分基準で29 %も増加させることに成功した。提案法で増加した石炭の低分子量成分は、溶剤で抽出後炭素材料の原料として利用することができるため、本研究は石炭の有効利用に貢献すると考えられる。

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