[E] Chemical ecology, bioactive substance

[E-07] 地下性シロアリにおける集合フェロモンの種特異性

◯Yuki Mitaka¹ (1. Texas A&M Univ.)

シロアリは化学コミュニケーションを高度に発達させた分類群であり、彼らの社会行動はフェロモンによって制御されていると古くから考えられてきた。複数の朽木を地上または地下のトンネルで繋げることで巣を拡大する地下性シロアリでは、職蟻が餌場や巣となる新たな朽木を探索し、最適な場所を発見次第、巣仲間同士で集合してその場所を開拓する。演者は、職蟻が集合する際に集合フェロモンを用いる事を発見し、これまでミゾガシラシロアリ科に属する地下性シロアリ4種（ヤマトシロアリ、Reticulitermes flavipes、Reticulitermes virginicus、イエシロアリ）にて、その成分と機能を明らかにしてきた。これら4種のシロアリの間では、集合フェロモンの構成成分は大きく異なっているものの、基本的には１〜数種類の脂肪酸に、いくつかの揮発性成分やステロール、あるいは体表炭化水素成分が組み合わさったものから構成されていることが明らかとなった。また、どの種の集合フェロモンにも誘引活性は備わっていたが、拘束活性も併せ持っているか否かについては種に依存していることも判明した。本講演では、演者のこれまでの研究結果を元に、地下性シロアリの各種における集合フェロモンの機能について考察したい。