2023年度全国大会(第58回論文発表会)

講演情報

都市計画論文

講演番号[110]-[116]

2023年11月12日(日) 09:20 〜 11:50 第IV会場 (A棟 G22教室)

司会:石原 凌河(龍谷大学)、岩見 達也(国土技術政策総合研究所)、荒木 裕子(京都府立大学)、坂本 淳(高知大学)

09:40 〜 10:00

[111] 岩手県釜石市鵜住居圏域における復興まちづくりの現状と課題

-地域コミュニティの居住環境に着目して

○後藤 純1、杉本 茅夏 2、手塚 悠希3 (1. 東海大学建築都市学部建築学科、2. 前田建設工業株式会社、3. 東海大学大学院工学研究科)

キーワード:東日本大震災、復興まちづくり、地域コミュニティの居住環境

東日本大震災から10年を経て、既に防潮堤、区画整理、高台移転などの復興事業は終了している。復興まちづくりにより、どの程度地域コミュニティの居住環境環境は改善され、暮らしやすくなったのだろうか。このような関心から、本研究は、甚大な被害を受けた岩手県釜石市鵜住居を対象に、現時点の地域コミュニティの居住環境の現状と課題を、明らかにすることが目的である。地域コミュニティの居住環境については、1)住まいの再建、2)地域住民の交流環境、3)買い物や散歩などの日常生活環境、4)子ども子育て環境の4つの視点に着目した。 鵜住居では、復興の核となる施設の整備、安心安全な住まいの整備は確実に進んだ。アンケートやインタビューを通じて、住まいに関する住民の満足度は高い。しかし世帯や人口は減少を続けており、宅地も半数が埋まっていない。高齢化が進み、今後は災害公営住宅の空き室も増えてく懸念がある。地域住民の交流、買い物、子ども子育て環境は課題も多いが、住民同士の工夫など改善が試みられている。鵜住居圏域一体として、多様な資源をいかして地域コミュニティを再生させていくためには、何が必要か、考察をしてまとめとしている。