[PC59] 不登校生徒の無気力感の変化と関連要因
適応指導教室における短期縦断研究から
キーワード:適応指導教室, 無気力, 不登校
問 題
中学生における不登校の要因のうち,「無気力」が30.7%と,その要因としてもっとも高い割合を占めている (文科省,2017)。本研究では,不登校生徒を対象に縦断調査を行うことで,生徒の無気力にどのような要因が関係しており,またそういった生徒に対して,どのような支援が必要なのかを検討する。具体的には,生徒個人と環境の双方の視点から,不登校生徒の無気力感の変化に影響を及ぼす要因を検討する。
方 法
調査協力者 19の市町の適応指導教室に通う中学生79人(男子41人,女子37人,無記入1人)
調査時期 2017年7月と2017年11月の2時点
質問紙の内容
「無気力」,「ストレスコーピングスキル」を4件法で,「在籍校の教師との関係」,「適応指導教室の教師との関係」,「適応指導教室の友人関係」を5件法で回答してもらった。
結 果
1.無気力の変化
全体的として1回目と2回目の調査の間で無気力に関して有意な差は見られなかったが,変化の
仕方から異なる変化のパターンが抽出された。
2.無気力の変化と各関連要因との関係
無気力にどのような要因が関連しているのかを検討するために,個人・環境の各要因と無気力の相関を検討した。その結果,個人の要因に関しては,コーピングスキルの「回避」の変化とのあいだで有意な正の相関が見られた(r=.27)。環境の要因に関しては,「在籍校教師との関係」の変化と有意な負の相関を示した(r=-.24)。つまり,回避のコーピングスキルの高まった者は,無気力も高くなること,また在籍級の教師との関係が良くなった者は,無気力も改善していることが分かる。
3.無気力変化パターン別に関連要因を見る
考 察
以上より,実践的には集中できない,やる気がないといった無気力を訴える不登校生徒への支援を考える際に,生徒自身の「回避」というコーピングの低減や,在籍校の教師との人間関係の構築が重要になってくると考えられる。
中学生における不登校の要因のうち,「無気力」が30.7%と,その要因としてもっとも高い割合を占めている (文科省,2017)。本研究では,不登校生徒を対象に縦断調査を行うことで,生徒の無気力にどのような要因が関係しており,またそういった生徒に対して,どのような支援が必要なのかを検討する。具体的には,生徒個人と環境の双方の視点から,不登校生徒の無気力感の変化に影響を及ぼす要因を検討する。
方 法
調査協力者 19の市町の適応指導教室に通う中学生79人(男子41人,女子37人,無記入1人)
調査時期 2017年7月と2017年11月の2時点
質問紙の内容
「無気力」,「ストレスコーピングスキル」を4件法で,「在籍校の教師との関係」,「適応指導教室の教師との関係」,「適応指導教室の友人関係」を5件法で回答してもらった。
結 果
1.無気力の変化
全体的として1回目と2回目の調査の間で無気力に関して有意な差は見られなかったが,変化の
仕方から異なる変化のパターンが抽出された。
2.無気力の変化と各関連要因との関係
無気力にどのような要因が関連しているのかを検討するために,個人・環境の各要因と無気力の相関を検討した。その結果,個人の要因に関しては,コーピングスキルの「回避」の変化とのあいだで有意な正の相関が見られた(r=.27)。環境の要因に関しては,「在籍校教師との関係」の変化と有意な負の相関を示した(r=-.24)。つまり,回避のコーピングスキルの高まった者は,無気力も高くなること,また在籍級の教師との関係が良くなった者は,無気力も改善していることが分かる。
3.無気力変化パターン別に関連要因を見る
考 察
以上より,実践的には集中できない,やる気がないといった無気力を訴える不登校生徒への支援を考える際に,生徒自身の「回避」というコーピングの低減や,在籍校の教師との人間関係の構築が重要になってくると考えられる。