日本地質学会第124年学術大会(2017年愛媛大会)

シンポ・セッション一覧

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シンポジウム(1件)    
S1.東アジアの古生代古地理学    
トピックセッション(9件)    
T1.文化地質学 T2.鬼界カルデラ研究の成果 T3.変動帯日本列島内安定陸塊
T4.日本列島の起源・成長・改変 T5.三次元地質モデル研究 T6.極々表層堆積学
T7.スロー地震の地質学 T8.中央構造線と活断層系 T9.「泥火山」
レギュラーセッション(25件)    
R1.深成岩・火山岩 R2.岩石・鉱物・鉱床学一般 R3.噴火・火山発達史
R4.変成岩とテクトニクス R5.地域地質・地域層序・年代層序 R6.ジオパーク
R7.グリーンタフ    
R8.海洋地質 R9.堆積物の起源・組織・組成 R10.炭酸塩岩
R11.堆積過程・環境:地質 R12.石油・石炭地質 R13.岩石・鉱物の変形と反応
R14.沈み込み帯・陸上付加体 R15.テクトニクス R16.古生物
R17.ジュラ系+ R18.情報地質とその利活用 R19.環境地質
R20.応用地質・ノンテク構造 R21.地学教育・地学史 R22.第四紀地質
R23.地球史 R24.原子力と地質科学 R25.鉱物資源と地球物質循環
アウトリーチセッション    
OR.アウトリーチセッション    

*タイトル(和英),世話人氏名・所属,概要を示します.*印は代表世話人(連絡責任者)です.


シンポジウム:1件

S1.国際シンポジウム:東アジアの古生代古地理学[共催:日本古生物学会]

Paleoozoic Paleogeography of East Asia
世話人:サイモン・ウォリス*(名古屋大; swallis@eps.nagoya-u.ac.jp),マーク・ウィリアムズ(Leicester大),大路樹生(名古屋大)
Conveners: Simon Wallis (Nagoya Univ.), Mark Williams (Leicester Univ.), Tatsuo Oji (Nagoya Univ.)

  This session aims to bring together experts in the paleogeography of East Asia with special emphasis on the early Paleozoic. The main focus will be on the geology of Japan, but we will also present information from countries germane to elucidating the paleogeographical evolution of East Asia, such as Korea, Thailand, Vietnam and China. The methods presented will mainly focus on i) paleontology including the new results of recent studies and summaries of well-documented regions, and ii) geochronology, in particular U–Pb ages of detrital minerals. Some will be new research, some will be reviews of previous results. We think that trilobite studies are a previously under-used source of valuable information on paleogeography and intend to make this a special focus of the session. We hope to present the results of a review of trilobite collections from throughout Japan. This will be the first time information from all the substantial collections of trilobites in Japan has been brought together and assessed in the light of modern analytical techniques focussed on this group. 

 このシンポジウムは,特に古生代前半における東アジアの古地理学に関する専門家を一同に集め,議論することを目指している.その主たる対象は日本の地質であるが,東アジアの古地理学的進化を明らかにすることに関連し,複数の国々(例えば韓半島,タイ,ベトナム,中国など)からもたらされる最新の情報を発表することも目的としている.セッションで提供される方法としては主として以下の2つが中心となる 1)最新の研究でもたらされた新たな結果と,今まで十分に明らかにされている地域の要約からなる古生物学的情報,2)特に砕屑性鉱物のウランー鉛年代に記録される地球年代学,である.これらは新たな研究の発表と従来の結果のレビューの両方から構成される.三葉虫の研究は従来重要な情報源として使われており,このトピックは当セッションの重要な基盤であると考えている.我々は初めて日本中の実質的な全三葉虫コレクションに基づく情報を集め,最新の分析手法に照らしてその評価を行っている.

【講演予定者】Moonsup Cho (Seoul National Univ.), Chris Stocker (Univ. of Leicester), David Siveter (Univ. of Leicester), Derek Siveter (Univ. of Oxford), Thijs Vandenbroucke (Univ. of Ghent)


備考:使用言語は英語

トピックセッション:9件

 

T1.文化地質学(一般公開)

Cultural geology
世話人:長 秋雄*(産総研;akio.cho@aist.go.jp),鈴木寿志(大谷大),能美洋介(岡山理科大)
Conveners: Akio Cho(AIST/GSJ),Hisashi Suzuki(Otani Univ.),Yousuke Noumi(Okayama Univ. of Sci.)

 2014年に「地質学に新たな分野を提唱したい.人類の文化・文明が地質とどのように関わってきたかを研究する学問分野『文化地質学』である.」と呼びかけて始めたトピックセッション「文化地質学」の4回目である.2014年に12件,2015年に19件,2016年に13件の発表が行われた(招待講演5件とアウトリーチセッションでの発表2件を含む).発表内容は,総論4件,地質岩体と石材の利用に関する研究26件(構造物2件・城郭石垣など5件・石材と石材産業12件・調査法6件),地域社会・文化・文明と地質の係わりに関する研究15件(地域社会・文化6件・文学4件・伝承と伝説4件・霊場1件)と多岐にわたった.筆頭発表者の実数は29名であり,その所属は博物館(5),私立大学(5),県立大学(1),国立大学(7),国立研(2),民間会社(1),NPO法人(1)と多岐にわたった.トピックセッションでの16発表と他1篇を収録した号外地球66特集「文化地質学」が2016年8月に発行された.過去3年の実績は,「文化地質学」が多くの会員により既に実践されてきていたこと,社会ニーズが高いことを示している.「文化地質学」は,博物館での普及活動,ジオパーク活動,地方創生の取り組みなどで実践されてきた学問分野でもあった.2017年愛媛大会でも,文化・文明と地質の関わり,人・社会の営みと地質の関わり,観光資源としての地質など,多様な研究成果の発表を募る.
【招待講演予定者】波田善夫(岡山理科大学:非会員),藤田勝代(深田地質研究所:会員)
 

 

T2.最近の鬼界カルデラ研究の成果と今後の課題[共催:火山学会,提案:火山部会]

Recent research results of the Kikai caldera and future issues
世話人:七山 太(産総研;nanayama-f@aist.go.jp),清川昌一(九州大),前野 深(東京大地震研)

Conveners:Futoshi Nanayama(AIST),Shoichi Kiyokawa(Kyushu Univ.),Fukashi Maeno(Earthquake Research Institute, Univ. of Tokyo)
 約7300年前に南九州で発生した鬼界アカホヤ噴火は,日本列島における完新世最大かつ最後のカルデラ噴火(VEI6以上)であったと推定されており,また過去1万年間に地球上で発生した噴火としては最大規模であったことが判明している.この時上空に放出された火山灰は鬼界アカホヤ降下火山灰(以下,アカホヤ火山灰)と命名されており,南九州のみならず韓半島南部まで,偏西風にのって西南日本一帯,さらに東北地方南部まで飛来したことが判明している.アカホヤ火山灰の分布の検討は,現在の広域テフラ研究の先駆けとも言える重要なものであった.このセッションでは,最近の鬼界カルデラにまつわる研究成果を広く網羅し,火山学的,地質学的な視点からのカルデラの構造やカルデラ噴火の成因の解明,カルデラ噴火時に発生した地震津波の痕跡研究の解明,火砕流やアカホヤ火山灰降灰による環境変化の解明,更に縄文人の生活への影響の解明について,学際を跨いで幅広く議論を行うことを目標とする.
【招待講演予定者】桒畑光博(都城市教育委員会:非会員),杉山真二(株)古環境研究センター:非会員)

 

T3.変動帯日本列島内安定陸塊の探査[共催:NPO法人地球年代学ネットワーク]

Research for stable massif in the active Japanese Island
世話人:板谷徹丸(蒜山地質年代学研究所・地質技術センター;tetsumaru.itaya@gmail.com),乙藤洋一郎(地球年代学ネットワーク・地球史研究所),鈴木茂之(岡山大・院)
Conveners: Itaya, Tetsumaru (Enginering Geology Center, Hiruzen Institute for Geology and Chronology),Otofuji, Yo-ichiro (Institute of GeoHistory, Japan Gechronology Network),Suzuki, Shigeyuki (Okayama Univ.)

 岡山県中南部には標高300~700 mの平坦な山々からなる吉備高原が存在する.これまで吉備高原域には,活断層がなく歴史的に地震発生の記録が残っておらず,漠然と地殻が安定,つまり「安定地塊」として捉えられてきた.一方,吉備高原東部周匝(すさい)地域に山砂利層(吉備層群周匝層)が発見され,そこに挟まれている火山灰のジルコンフィッショントラック年代は3500万年前である.さらに,この山砂利層が周匝から南側に断続的に30 km以上追跡され,その他複数の古第三紀の河川堆積物が吉備高原に存在することも分かっている.これら堆積物の古流系解析から当時の河川は,現在の北から南へ流れていたことを示す.これらの知見は,山砂利層が約2000万年前に起きた日本海拡大以前に東アジア大陸に存在した河川の化石であり,吉備高原の発達・成長過程を知る上で重要な堆積層であることを意味する.吉備高原の形成史と成因,具体的には,吉備高原が地球科学的に安定地塊と認定されうるのか,また過去にどのような過程を経て現在の地形になったのか,またその分布範囲と安定期間はどのくらいのものなのかを明らかにするため地質学・地球物理学の観点から探査する価値がある.吉備高原域の地球科学的安定さの理解は,首都機能の一部の,安全な地への誘致に向けた一歩となる.
【招待講演予定者】趙 大鵬(東北大学:非会員),松多信尚(岡山大学:非会員)
備考:日本語と英語の混合.講演に用いる図表は英語とする

 

T4.日本列島の起源・成長・改変

The Japanese Islands: origin, growth & reform
世話人:磯崎行雄(東京大・院;isozaki@ea.c.u-tokyo.ac.jp),澤木佑介(東京大・院),青木一勝(岡山理科大)
Conveners: Yukio Isozaki(Univ. Tokyo),Yusuke Sawaki(Univ. Tokyo),Kazumasa Aoki(Okayama Univ. of Sci.)

 最近5年間に日本列島に産する多様な造山帯岩石について,ジルコンのU-Pb年代測定という新たな手法が導入され,構造侵食による既存の地質体の消滅という従来とは大きく異なるテクトニクス解釈の必要性が明らかになった.約5億年前まで遡る日本列島の地殻形成史前半の解明のためには,極めて限定された地質学的証拠の探索が不可欠となる.新しい観点/手法による本邦産の古期岩類の検討から,すでに複数の興味深い新発見がもたらされている.例えば,これまで不明な事柄が多かった古生代および中生代初期の花崗岩類や片麻岩の詳細な年代が得られるようになり,東アジア縁辺における具体的かつ正確なテクトニクスが議論できるようになった.また比較的若い過去の造山帯産物がよく残存している白亜紀以降の弧-海溝系についても,砕屑性ジルコン年代学の成果によって,前弧盆地,弧内盆地そして背弧盆地の分化過程などを,より詳細に提示することが可能となり,新生代におきた背弧域拡大(日本海の形成)についても,あらたな視点の導入が不可欠となっている.これらの多様なテーマを内包する本セッションでは,日本列島形成史の最新の描像を探る.
【招待講演予定者】鳥海光弘(JAMSTEC:会員),土谷信高(岩手大学:会員)

 

T5.三次元地質モデル研究の新展開

Recent progress on 3D geological modeling research
世話人:高野 修(石油資源開発(株);osamu.takano@japex.co.jp),木村克己(防災科研),太田英将(太田ジオリサーチ)
Conveners: Osamu Takano(JAPEX),Katsumi Kimura(National Research Institute for Earth Science and Disaster Resilience),Hidemasa Ohta(Ohta Geo Research)

 近年,精緻な地下地質情報の把握のニーズの高まりにより,地質学関連各分野において,三次元モデル化や可視化関連の技術開発が著しく進展している.建設・土木地質分野では,より精緻な都市地盤地質状況の把握のため,CIM(construction information modeling)等を通じた地盤情報の三次元モデル化や可視化の研究が進展している.石油・天然ガス開発などの資源地質分野では,より正確な地下地質構造の把握やポテンシャル評価のため,物性・性状の三次元分布や時間軸を取り入れた鉱床成立過程のシミュレーションが行われるようになってきている.さらに防災関連では,地震動予測のための地盤モデル,地下深部のイメージングやモデリング等の研究が進展している.しかしながら,各分野の進展にもかかわらず,分野間の技術情報交換は盛んであるとは言えず,相互理解や協力体制の構築が俟たれる状況にある.このような状況から,今般,分野間の技術情報交換の横糸的役割として,各分野の三次元地質モデル研究の現状の紹介を通じて相互理解を深めるとともに,今後の研究の課題と協力体制について話し合うことを目的として,本トピックセッションを実施する.
【招待講演予定者】西山昭一(応用地質(株):非会員),藤井哲哉((独)石油天然ガス・金属鉱物資源機構:非会員)

 

T6.極々表層堆積学:「堆積物」への記録プロセスの理解[提案:現行地質過程部会]

Superficial Sedimentology: Deciphering record processes into sediments
世話人:新井和乃(高知大;jm-k_arai@kochi-u.ac.jp),小栗一将(JAMSTEC),清家弘治(東京大大気海洋研),成瀬 元(京都大・院),川村喜一郎(山口大・院)
Conveners: Kazuno Arai(Kochi Univ.),Kazumasa Oguri(JAMSTEC),Koji Seike(Univ. of Tokyo),Hajime Naruse(Kyoto Univ.),Kiichiro Kawamura(Yamaguchi Univ.)
 堆積物には様々な記録が保存される.地震,津波,流向,水温,気温など,どれも過去の地球の営みを理解するための重要な情報ばかりである.しかしながら,それらの「堆積物」への記録プロセス,すなわち,海底極表層での物理化学的プロセスはよくわかっていない.比喩表現ではあるが,一連の記録システムがテープレコーダーだとしたら,堆積物という名のテープに録音された音楽を鑑賞するためには,音が録音されるヘッド部での機構を知る必要があるだろう.本セッションでは,海底極表層部で生じている多岐にわたる物理化学的現象を議論したい.堆積学,と称してはいるが,地質学,地球物理学,地球化学,生物学など,学際的なセッションにしたい.
【招待講演予定者】池原 研(産総研:会員),長尾誠也(金沢大学環日本海域環境研究センター:非会員)

 

T7.スロー地震の地質学

Geology of Slow Earthquakes
世話人:氏家恒太郎(筑波大;kujiie@geol.tsukuba.ac.jp),ウォリス サイモン(名古屋大),金川久一(千葉大)
Conveners: Kohtaro Ujiie(Univ. of Tsukuba), Simon Wallis(Nagoya Univ.), Kyuichi Kanagawa(Chiba Univ.)

 20 世紀末以降日本列島に張りめぐらされた地震・測地観測網により,断層がゆっくりすべることで発生するスロー地震が南海トラフ沈み込み帯において初めて見出された.その後世界各地で同様の現象が報告され,地震学・測地学的特徴に関する情報が蓄積されてきた.一方で,スロー地震の地質学的研究やスロー地震の発生挙動を決めるための実験的研究は出遅れていた.そのため,スロー地震を引き起こす物質や低速変形の実態,スロー地震の発生挙動を決定づける摩擦・水理特性は解明されていない.しかし近年,スロー地震発生深度で形成され現在地表に露出する付加体や変成岩類を対象として,スロー地震の地質学的描像構築を目指した研究が推進されている.また,南海トラフ沈み込み帯から採取した掘削試料を用いた実験的研究も実施されている.本トピックセッションでは,これらの成果を持ち寄り現時点での到達点を互いに共有するとともに,今後スロー地震の地質学的描像構築と摩擦・水理特性を解明していく上で有効な方策を議論し,多分野間での有機的融合による新たな研究の創造へのきっかけとしたい.
【招待講演予定者】小原一成(東京大地震研:非会員),Ake Fagereng(Cardiff Univ.:非会員)
備考:講演は日本語で行うが,発表資料は出来る限り英語で作成のこと.

 

T8.中央構造線と中央構造線活断層系

Median Tectonic Line (MTL) and MTL active fault system
世話人:早坂康隆(広島大・院;hayasaka@hiroshima-u.ac.jp),高木秀雄(早稲田大),山北 聡(宮崎大)
Conveners: Yasutaka Hayasaka(Hiroshima Univ.), Hideo Takagi(Waseda Univ.),Satoshi Yamakita(Miyazaki Univ.)

 熊本地震がおこって九州で中央構造線が動いたとの論調があらわれたとき,関連研究者のコミュニティから,中央構造線と中央構造線活断層系を混同したもので九州に中央構造線はないとの意見表明があった.中央構造線活断層系は地体構造境界としての中央構造線の一部を使って活動している活断層群であって,中央構造線とは別物という訳である.一方,紀伊半島から四国西部までの中央構造線活断層系は,別府湾でやや拡散するものの全体としては大分-熊本線に沿って布田川断層帯へ連続しているように見え,何らかの共通したテクトニクス上の背景を持っていることを伺わせる.四国までの中央構造線活断層系がそのまま九州へ連続するとしたら,これを何と呼んだら良いだろうか.そもそも中央構造線活断層系はほんとうに中央構造線の一部を使って活動しているのだろうか.そうだとしたらそれは何故だろうか.そうでないとしたら両者が寄り添って見えるのは単なる偶然なのだろうか.はたまた,九州に中央構造線はないと言い切って良いのだろうか.これらは古くて新しい問題である.本セッションでは,中央構造線に関連する地域地質研究や地体構造論,テクトニクス研究など多様な研究発表を歓迎する.
【招待講演予定者】斎藤 眞(産総研:会員),伊藤谷生(帝京平成大:会員)

 

T9.「泥火山」の新しい研究展開に向けて[提案:現行地質過程部会]

Advanced Mud Volcano Studies 
世話人:浅田美穂(JAMSTEC;asadam@jamstec.go.jp),土岐知弘(琉球大),井尻 暁(JAMSTEC),辻 健(九州大)
Conveners: Miho Asada(JAMSTEC),Tomohiro Toki(Univ. of Ryukyus),Akira Ijiri(JAMSTEC),Takeshi Tsuji(Kyushu Univ.)

 世界各地で観察されている泥火山は,地下深部の物質が地表に噴出し形成する地形的特徴である.火山の名を冠するが,噴き出すものは堆積物或いは流体(ガス,水,油,溶存塩(Milkov, 2005))であって,高温のマグマとは異なる.泥火山噴出物は地表にあっては容易に入手できない,地下深部の貴重な物質と情報を我々にもたらす.2015年度に開催された本セッションでは,地質学,地球物理学,地球化学,生物学各分野から,これまでに蓄積された研究事例に近年の成果を加えた海陸の泥火山・泥注入現象について発表があり,様々な発展可能性を持つ日本の泥火山研究の現状を共有することが出来た.
 ここに集結する泥火山研究を通して,泥火山を地下深部物質の「出口」であり,かつ地下情報を切り開く「入口」となる研究フロンティアであることを認識し,泥火山から得られる地下深部情報を広範に利活用するための分野を超えた議論の場を持つために,堆積・層序学,地形学,構造地質学,地球化学,地球物理学,地下微生物学,地盤工学など,多岐にわたる研究分野から国内外および海域・陸域を問わず,泥火山・泥注入現象にかかる新旧研究成果の報告を歓迎する.同時に今年度は地質学会から発刊される予定である「泥火山」に関する特集号の編纂を視野に,既存研究のレビュー的内容と活発な議論を期待する.
【招待講演予定者】中野 優(JAMSTEC:非会員),中田亮一(JAMSTEC:非会員)

レギュラーセッション:25件  

※( )内は責任母体となる専門部会または委員会です.
 

R1.深成岩・火山岩とマグマプロセス(火山部会・岩石部会)

Plutonic rocks, volcanic rocks and magmatic processes
齊藤 哲*(愛媛大;saitotetsu@sci.ehime-u.ac.jp),上澤真平(電中研)
Satoshi Saito* (Ehime Univ.),Shimpei Uesawa (CRIEPI)

 深成岩および火山岩を対象に,マグマプロセスにアプローチした研究発表を広く募集する.発生から定置・固結に至るまでのマグマの物理・化学的挙動や,テクトニクスとの相互作用について,野外地質学・岩石学・鉱物学・火山学・地球化学・年代学など様々な視点からの活発な議論を期待する.

 

R2.岩石・鉱物・鉱床学一般(岩石部会)

Petrology, mineralogy and economic geology
宇野正起*(東北大;uno@geo.kankyo.tohoku.ac.jp),松村太郎次郎(産総研)
Masaoki Uno* (Tohoku Univ.),Tarojiro Matsumura (AIST)

 岩石学,鉱物学,鉱床学,地球化学などの分野をはじめとして,地球・惑星物質科学全般にわたる岩石及び鉱物に関する研究発表を広く募集する.地球構成物質について多様な研究成果の発表の場となることを期待する.データ科学など新たなアプローチによる研究も歓迎する.
【招待講演予定者】山田亮一(東北大:非会員)

 

R3.噴火・火山発達史と噴出物(火山部会)

Eruption, evolution and products of volcanic processes
上澤真平*(電中研;uesawa@criepi.denken.or.jp),長谷川健(茨城大),長井雅史(防災科研)
Shimpei Uesawa* (CRIEPI),Takeshi Hasegawa (Ibaraki Univ.),Masashi Nagai (NIED)

 火山地質ならびに火山現象のモデル化に関し,マグマや熱水流体の上昇過程,噴火様式,噴火経緯,噴出物の移動・運搬・堆積,各火山あるいは火山地域の発達史,火山活動とテクトニクス・化学組成をはじめとする,幅広い視点からの議論を期待する.

 

R4.変成岩とテクトニクス(岩石部会)

Metamorphic rocks and tectonics
足立達朗*(九州大;t-adachi@scs.kyushu-u.ac.jp),吉田健太(JAMSTEC),小林記之(名古屋学院大)
Tatsuro Adachi* (Kyushu Univ.),Kenta Yoshida (JAMSTEC),Tomoyuki Kobayashi (Nagoya Gakuin Univ.)

 国内および世界各地の変成岩を主な対象に,記載的事項から実験的・理論的考察を含め,またマイクロスケールから大規模テクトニクスまで,様々な地球科学的手法・規模の視点に立った斬新な話題提供と活発な議論を期待する.
【招待講演予定者】高須 晃(島根大:会員),石塚英男(高知大:会員)

 

R5.地域地質・地域層序・年代層序(地域地質部会・層序部会)

Regional geology and stratigraphy, chronostratigraphy
松原典孝*(兵庫県立大;matsubara-n@stork.u-hyogo.ac.jp),内野隆之(産総研),納谷友規(産総研)
Noritaka Matsubara* (Univ. Hyogo),Takayuki Uchino (AIST),Tomonori Naya (AIST)
 
 国内外を問わず,地域の地質や層序,および年代層序に関連した発表を広く募集する.地質図,年代,地球化学,分析,リモセン,活構造,地質調査法等の様々な内容の発表を歓迎し,地域を軸にした討論を期待する.

 

R6.ジオパーク(地域地質部会・ジオパーク支援委員会)

Geopark
天野一男*(日本大;ikap@cap.ocn.ne.jp),高木秀雄(早稲田大)
Kazuo Amano*(Nihon Univ.),Hideo Takagi (Waseda Univ.)

 2015年11月に世界ジオパークは正式にユネスコの活動として認められ,ユネスコ世界ジオパークとなった.日本のジオパーク活動も9年が経過して,日本ジオパークとして認定された地域は43地域となり,その内の8地域は世界ジオパークに認定されており,これから新たに申請を考えている地域も多い.このような状況下で,一層ジオパークの質の向上が求められている.ジオパークは,貴重な地質・地形を中心とした各種自然・文化遺産の価値を地元の人が良く理解し保全しながら,地域の教育や経済的振興をめざす事業である.自然遺産の保全,ジオパークで行われるジオツアーのインタープリター,ガイドの育成に当たって,地域の大学,博物館,研究所の研究者の協力は不可欠である.この観点から,地質学会として,問題点を整理し,ジオパークの質的向上への貢献に寄与したい.様々な実践例の発表,課題解決方法の提案など広く講演を募集する.

 

R7.グリーンタフ(地域地質部会・層序部会)

Green tuff
天野一男*(日本大;ikap@cap.ocn.ne.jp),松原典孝(兵庫県立大),細井 淳(産総研)
Kazuo Amano*(Nihon Univ.),Noritaka Matsubara(Univ. Hyogo),Jun Hosoi(AIST)

 日本海拡大に伴ったグリーンタフは陸弧から島弧への日本列島の進化過程解明のための鍵となる.本セッションはグリーンタフを中心に,古~新第三系に関する地域地質学的な話題からグローバルな話題まで,分野を限らず歓迎する.

 

R8.海洋地質(海洋地質部会)

Marine geology
芦 寿一郎*(東大大気海洋研;ashi@aori.u-tokyo.ac.jp),小原泰彦(海上保安庁),板木拓也(産総研)
Juichiro Ashi*(AORI, Univ. of Tokyo),Yasuhiko Ohara (JCG),Takuya Itaki (AIST) 

 海洋地質に関連する分野(海域の地質・テクトニクス・変動地形学・海域資源・堆積学・海洋学・古環境学・陸域地質での海洋環境変遷研究など)の研究発表を募集する.調査速報・海底地形地質・画像データなどのポスター発表も歓迎する.
【招待講演予定者】多田隆治(東京大:会員),・池原 実(高知大学:会員)

 

R9.堆積物(岩)の起源・組織・組成(堆積地質部会)[共催:日本堆積学会,石油技術協会探鉱技術委員会,日本有機地球化学会]

Origin, texture and composition of sediments
太田 亨*(早稲田大;tohta@toki.waseda.jp),野田 篤(産総研)
Tohru Ohta*(Waseda Univ.),Atsushi Noda(AIST)

 砕屑物の生成(風化・侵食・運搬)から堆積岩の形成(堆積・沈降・埋積・続成)まで,組織(粒子径・形態)・組成(粒子・重鉱物・化学・同位体・年代)・物性などの堆積物(岩)の物理的・化学的・力学的性質を対象とし,その起源・形成過程・後背地・古環境や地質体の発達史を議論する.太古代の堆積岩から現世堆積物まで,珪質岩・火山砕屑岩・風成塵・リン酸塩岩・蒸発岩・有機物・硫化物などについての研究も歓迎する.
【招待講演予定者】宮田雄一郎(山口大:会員)

 

R10.炭酸塩岩の起源と地球環境(堆積地質部会)[共催:日本堆積学会,石油技術協会探鉱技術委員会,日本有機地球化学会]

Origin of carbonate rocks and related global environments
山田 努*(東北大;t-yamada@m.tohoku.ac.jp),足立奈津子(鳴門教育大)
Tsutomu Yamada* (Tohoku Univ.),Natsuko Adachi (Naruto Univ. Educ.)

 炭酸塩岩・炭酸塩堆積物の堆積作用,組織,構造,層序,岩相,生物相,地球化学,続成作用,ドロマイト化作用など,炭酸塩に関わる広範な研究発表を募集する.また,現世炭酸塩の堆積作用・発達様式,地球化学,生物・生態学的な視点からの研究発表も歓迎する.
【招待講演予定者】浦田健作(大阪経済法科大:会員)

 

R11.堆積過程・堆積環境・堆積地質(堆積地質部会・現行地質過程部会)[共催:日本堆積学会,石油技術協会探鉱技術委員会,日本有機地球化学会]

Sedimentary geology, processes and environments
酒井哲弥*(島根大;sake@riko.shimane-u.ac.jp),高野 修(石油資源開発),松本 弾(産総研)
Tetsuya Sakai*(Shimane Univ.),Osamu Takano(JAPEX),Dan Matsumoto(AIST)

 野外観察や室内実験によって堆積粒子の挙動や堆積物形成過程について検討した研究や,堆積物が形成される場としての環境(砂丘を含む風成環境,湖沼,河川,沿岸,陸棚,深海など)の特徴について,堆積学的手法や各種分析・測定によって検討した研究を広く募集する.また,露頭観察や得られた試資料に基づく堆積システムあるいは地層形成のダイナミクスに関する研究も歓迎する.
【招待講演予定者】成瀬 元(京都大:会員)

 

R12.石油・石炭地質学と有機地球化学(石油石炭関係・堆積地質部会)[共催:石油技術協会探鉱技術委員会,日本有機地球化学会,日本堆積学会]

Geology and geochemistry of petroleum and coal
千代延俊*(秋田大;chiyo@gipc.akita-u.ac.jp),千代延仁子(石油資源開発),三瓶良和(島根大)
Shun Chiyonobu*(Akita Univ.),Satoko Chiyonobu(JAPEX),Yoshikazu Sampei (Shimane Univ.)

 国内外の石油・石炭地質および有機地球化学に関する講演を集め,石油・天然ガス・石炭鉱床の成因・産状・探査手法など,特にトラップ構造,堆積盆,堆積環境,貯留岩,根源岩,石油システム,資源量,炭化度などについて討論する.
【招待講演予定者】鈴木徳行(北海道大:会員)

 

R13.岩石・鉱物の変形と反応(構造地質部会・岩石部会)

Deformation and reactions of rocks and minerals
水上知行*(金沢大;peridot@staff.kanazawa-u.ac.jp),大橋聖和(山口大),大坪 誠(産総研),高橋美紀(産総研)
Tomoyuki Mizukami*(Kanazawa Univ.),Kiyokazu Oohashi(Yamaguchi Univ.),Makoto Otsubo(AIST),Miki Takahashi(AIST)

 岩石・鉱物の変形(破壊,摩擦,流動現象)と反応(物質移動,相変化)およびその相互作用を,観察・分析・実験を通じて物理・化学的な側面から包括的に理解し,地球表層から内部における地質現象の解明を目指す.地質学,岩石学,鉱物学,地球化学など様々な視点・アプローチによる成果をもとに議論する.
【招待講演予定者】増田俊明(静岡大:会員),内出崇彦(産総研:非会員)

 

R14.沈み込み帯・陸上付加体(構造地質部会・海洋地質部会)

Subduction zones and on-land accretionary complexes
氏家恒太郎*(筑波大;kujiie@geol.tsukuba.ac.jp),橋本善孝(高知大),坂口有人(山口大),中村恭之(JAMSTEC)
Kohtaro Ujiie*(Univ. Tsukuba),Yoshitaka Hashimoto(Kochi Univ.),Arito Sakaguchi (Yamaguchi Univ.),Yasuyuki Nakamura(JAMSTEC)

 沈み込み帯・陸上付加体に関するあらゆる分野からの研究を歓迎する.野外調査,微細構造観察,分析,実験,理論,モデリングのみならず海洋における反射法地震探査,地球物理観測,地球化学分析,微生物活動など多様なアプローチに基づいた活発な議論を展開したい.次世代の沈み込み帯・陸上付加体研究者を育てるべく,学生による研究発表も大いに歓迎する.
【招待講演予定者】岡本 敦(東北大:会員),山本由弦(JAMSTEC:会員)

 

R15.テクトニクス(構造地質部会)

Tectonics
山口飛鳥*(東京大学;asuka@aori.u-tokyo.ac.jp),末岡 茂(JAEA),宮川歩夢(産総研)
Asuka Yamaguchi*(Univ. Tokyo),Shigeru Sueoka (JAEA),Ayumu Miyakawa(AIST)

 陸上から海洋における野外調査や各種観測の他,実験や理論などに基づき,日本や世界各地に発達するあらゆる地質体の構造,成因,形成過程や発達史に関する講演を募集する.また,現在進行している地殻変形や活構造に関する研究成果も歓迎する.
【招待講演予定者】大坪 誠(産総研:会員),北 佐枝子(広島大:非会員)

 

R16.古生物(古生物部会)

Paleontology
生形貴男(京都大),太田泰弘(北九州博),上松佐知子*(筑波大;agematsu@geol.tsukuba.ac.jp)
Takao Ubukata (Kyoto Univ.),Yasuhiro Ota(Kitakyushu Mus.),Sachiko Agematsu* (Univ. of Tsukuba)

 古生物の生物学的研究,化石試料を利用した地球科学的研究,古生物学の方法論に関する研究など,古生物に関連した幅広い内容の研究について発表・討論を行う.

 

R17.ジュラ系+(古生物部会)

The Jurassic +
松岡 篤*(新潟大;amatsuoka@geo.sc.niigata-u.ac.jp),近藤康生(高知大),小松俊文(熊本大),石田直人(鳥取大),中田健太郎(いわき市アンモナイトセンター)
Atsushi Matsuoka*(Niigata Univ.),Yasuo Kondo (Kochi Univ.),Toshifumi Komatsu (Kumamoto Univ.),Naoto Ishida (Tottori Univ.),Kentaro Nakada(Ammonite Center, Iwaki City)

 2003年の静岡大会において「ジュラ系」として誕生した本セッションは,その後「ジュラ系+」となり,10年間にわたりトピックセッションとして継続開催された.10年の活動は,2015年に地質学雑誌の特集『トピックセッション「ジュラ系+」の10年』として結実した(2015年2月号「(その1)日本のジュラ系」,3月号「(その2)ジュラ系研究の将来展望」).「ジュラ系+」は,2013年からは古生物部会のセッションとなっている.2017年の「ジュラ系+」は,GSSPの決定が急務となっているジュラ系・白亜系境界を主テーマとして設定する.とくに非海成層の分布が広いアジアにおけるジュラ系・白亜系境界について,各方面からのデータを持ち寄り,多角的に検討したい.ここでの議論は,2017年10月に新潟で開催されるInterRad XVの特別シンポジウムに引き継がれる.主テーマにかかわらず,広く「ジュラ系+」に関連する発表を歓迎する.なお,2018年2月には,第10回国際ジュラ系会議がメキシコで開催される.
【招待講演予定者】佐野晋一(福井県立恐竜博:会員)

 

R18.情報地質とその利活用(情報地質部会・地域地質部会)

Geoinformatics and its application
野々垣 進*(産総研;s-nonogaki@aist.go.jp),斎藤 眞(産総研)
Susumu Nonogaki*(AIST),Makoto Saito (AIST)

 地質情報の取得・デジタル化・データベース構築をはじめとして,デジタル管理した地質情報の数理解析・統計解析・画像処理・地理空間情報との統合利用,地質プロセスや地質構造の認識を基礎にした3次元地質モデルの構築・可視化,ボーリングデータの管理・分析,SNSを含むWebを通した地質情報の発信・共有など,地質情報の情報処理に関する全ての研究成果(理論・技術・システム開発・実践事例・応用事例など)の発表を歓迎する.また,これらの成果から得られた地質情報の利活用事例,利活用における問題点,比較検討・動向調査などの研究発表も歓迎する.

 

R19.環境地質(環境地質部会)

Environmental geology
難波謙二(福島大),風岡 修(千葉環境研),三田村宗樹(大阪市大),田村嘉之*(千葉県環境財団;tamura@ckz.jp)
Kenji Nanba(Fukushima Univ.),Osamu Kazaoka(Res. Inst. Environ. Geol., Chiba),Muneki Mitamura(Osaka City Univ.),Yoshiyuki Tamura*(Chiba Pref. Environ. Foundation)

 地質汚染,医療地質,地盤沈下,湧水,水資源,湖沼・河川,都市環境問題,法地質学,環境教育,地震動,液状化・流動化,地震災害,岩盤崩落など,環境地質に関係する全ての研究の発表・討論を行う.

 

R20.応用地質学一般およびノンテクトニック構造(応用地質部会)

Engineering geology and non-tectonic structures
西山賢一(徳島大),亀高正男*((株)ダイヤコンサルタント;m.kametaka@diaconsult.co.jp)
Ken-ichi Nishiyama(Tokushima Univ.),Masao Kametaka* (Dia Consultants)

 応用地質学一般では,種々の地質ハザードの実態,調査,解析,災害予測,ハザードマップの事例・構築方法,土木構造物の設計・施工・維持管理に関する調査,解析など,応用地質学的視点に立った幅広い研究を対象とする.また,ノンテクトニック構造では,ランドスライドや地震による一過性の構造,重力性の構造等の記載,テクトニック構造との区別や比較・応用等の研究を対象にして発表・議論する.
【招待講演予定者】奥野 充(福岡大学:会員)

 

R21.地学教育・地学史(地学教育委員会)

Geoscience Education/History of Geoscience
矢島道子*(日本大;pxi02070@nifty.ne.jp),三次徳二(大分大)
Michiko Yajima*(Nihon Univ.),Tokuji Mitsugi (Oita Univ.)

 地学教育,地学史に関わる研究発表を広く募集する.新学習指導要領についての教育現場からの問題提起や,実践報告に加え,大学や博物館,研究所等が行うアウトリーチに関わる実践報告についても歓迎する.また地学史からの問題提起,貴重な史的財産の開示を歓迎する. 

 

R22.第四紀地質(第四紀地質部会)

Quaternary geology
公文富士夫*(高知大;shkumon@shinshu-u.ac.jp),竹下欣宏(信州大)
Fujio Kumon* (Kochi Univ.),Yoshihiro Takeshita (Shinshu Univ.)

 第四紀地質に関する全ての分野(環境変動・気候変動・湖沼堆積物・地域層序など)からの発表を含む.また,新しい調査や研究,方法の開発や調査速報なども歓迎する.

 

R23.地球史(環境変動史部会)

History of the Earth
清川昌一*(九州大;kiyokawa@geo.kyushu-u.ac.jp),小宮 剛(東京大),山口耕生(東邦大),黒田潤一郎(東京大),須藤 斎(名古屋大),尾上哲治(熊本大)
Shoichi Kiyokawa*(Kyushu Univ.),Tsuyoshi Komiya(Univ. Tokyo),Kosei Yamaguchi (Toho Univ.),Junichiro Kuroda(Univ. Tokyo),Itsuki Suto(Nagoya Univ.),Onoue Tetsuji (Kumamoto Univ.)

 地球史を通して,大気や海洋,それに生命圏は様々な時間スケールで大きな変化を遂げてきた.それは,火山活動などの地球内部の活動や,太陽活動や公転軌道要素,隕石衝突など地球外要因によっても駆動されている.地球史における大気・海洋・生命圏の変動は,地層や化石に記録される.これらの変動を,多岐にわたる科学的手法により紐解くことは,地質学の大きな醍醐味の一つといえよう.本セッションは,特定の時代や特定の科学的手法にとらわれず,地球史上に残される環境変動や地殻変動の謎に迫る研究を広く募集し,インタラクティブな議論を展開する場にしたい.
【招待講演予定者】牛久保孝行(JAMSTEC:非会員),亀山真典(愛媛大:非会員)
 

R24.原子力と地質科学(地質環境の長期安定性研究委員会)[共催:日本原子力学会バックエンド部会]

Nuclear energy and geological sciences
吉田英一*(名古屋大;dora@num.nagoya-u.ac.jp),梅田浩司(弘前大),高橋正樹(日大),渡部芳夫(産総研)
Hidekazu Yoshida*(Nagoya Univ.),Koji Umeda(Hirosaki Univ.),Masaki Takahashi (Nihon Univ.),Yoshio Watanabe(AIST)

 原子力は,ウラン資源探査,活断層等を考慮した耐震安全性評価,廃棄物の地層処分,放射性物質の環境動態等の多くの地質科学的課題を有している.本セッション「原子力と地質科学(Nuclear Energy and Geological Sciences)」は,このような日本の原子力に関わる地質科学的課題について,地球科学的知見の議論及び関連する学会や研究者間の意見交換を行うことを目的としており,幅広い分野からの参加,発表を歓迎する.
【招待講演予定者】小林大和(経済産業省資源エネルギー庁:非会員),大江俊昭(東海大:非会員)

 

R25.鉱物資源と地球物質循環(鉱物資源部会)

Mineral resources and global material cycles
中村謙太郎*(東京大;kentaron@sys.t.u-tokyo.ac.jp),加藤泰浩(東京大),岩森 光(JAMSTEC)
Kentaro Nakamura*(Univ. Tokyo),Yasuhiro Kato(Univ. Tokyo),Hikaru Iwamori (JAMSTEC)

 近年,海底鉱物資源をはじめとする新しい資源の開発に向けた動きが活発化し,鉱物資源への注目が高まっている.鉱物資源の形成過程に関わる様々な元素の輸送・濃集過程は,ダイナミックな地球における物質循環と分化の一部に他ならず,鉱物資源の成因を考える上では,地球全体にまたがるグローバルな物質循環とその変遷,そしてその資源形成との関わりについての包括的な理解が不可欠である.本セッションでは,鉱物資源そのものに加え,これまで着目されることが少なかった資源形成をとりまく地球表層-内部環境,テクトニックセッティング,ダイナミクスと,資源の形成メカニズムとの関わりについても,グローバルに議論する場を提供したい.
【招待講演予定者】高橋嘉夫(東京大:非会員)

 

OR. 日本地質学会アウトリーチセッション(一般公開,ポスター発表のみ)

Outreach session
星 博幸*(愛知教育大:hoshi@auecc.aichi-edu.ac.jp)・須藤 斎(名古屋大)
Hiroyuki Hoshi* (Aichi Univ. Education) and Itsuki Suto (Nagoya Univ.)
 
研究成果を社会に発信する場として設けられたセッション.地質学と関連分野を対象とし,開催地(四国地方,愛媛)とその周辺の地質や地学に関する研究紹介,社会的に注目されている地質および関連トピックの研究紹介,特定分野の研究到達点や課題の解説など.客層は会員(専門家)ではなく市民であることに注意.申込多数の場合は行事委員会にて採否を検討する.