[T3-P-6] 日本地質学会が支援する地震火山地質こどもサマースクール
キーワード:防災、教育、ジオパーク、サマースクール
地震火山地質こどもサマースクール(以下、サマスク)は、日本地震学会、日本火山学会、日本地質学会が共同で支援して開催されている、地球科学や防災をテーマにした科学学習プロジェクトである。サマスク開催地は、ジオパーク認定地域、ジオパークの準備地域、その後ジオパークとなった地域などが多く含まれている。サマスクのプログラムは、地球科学を分かりやすく伝えるだけでなく、大地の成り立ちや災害と密接に関わる人々の暮らしや景観についても取り扱うため、ジオパーク事業や専門員と理念や目的を共有する。
1999年夏、第1回のサマスクは地震学会と火山学会の有志によって「丹那断層」をテーマに静岡県函南町などで開催された。その後、開催地を毎年変えて実施されており、直近では2019年に京都府宮津市や京丹後市で北丹後地震を、2022年に群馬県嬬恋村と長野原町で浅間山を、2023年に神奈川県平塚市で大正関東地震をそれぞれテーマとして開催した(※2023年サマスクは本予稿投稿後に開催)。当初、防災や教育に関心の高い研究者や教員らが中心となって開催されていたが、現在では3つの学会の支援のもとで常時設置されている地震火山地質こどもサマースクール三学会連合企画委員会で開催地を公募し、サマースクール運営委員会と、開催地の地元団体とで実行委員会をつくって実施されている。2016年からは開催希望団体からの応募によって開催地を決定している。
サマスクのプログラムは、当初から参加者が能動的に考えること、チームの中で学び合うこと、学んだことを自分たちの言葉や絵を使いプレゼンするまでを一連のプログラムとすることを重視しており、いわゆる探究学習の手法が用いられている。好奇心旺盛な子どもたちに安全な学習機会を提供する。過去22回のプログラムの特徴は次の通りである。
1)チームで考え学ぶ:地球科学や防災について理解するために講師らが考えたナゾを、小学5年から高校生からなる5〜6名のグループで相談しながら解き明かす構成になっている。
2)スタッフ構成:講師、実験担当、コーディネーター(進行役)、チームサポーター(チームに同行する大人)、安全管理担当などのスタッフ構成による子どもたちへの強力な支援がある。
3)地元へのノウハウ提供:コーディネーターや実験を運営委員と地元スタッフが共に担うことで、進行の仕方や実験手法などのノウハウが地元に残ることを期待している。
プログラム終了後に実施しているアンケートによると、毎回参加者の9割以上がプログラムに満足し、特に野外での学習や実験に人気がある。若干のリピーターも存在し、中には大学で地球科学を専攻する者、サマスクの運営スタッフとなった者なども現れている。一方で、サマスクを体験できる子どもは毎回30〜40名程度で、もっと多くの子どもに役立つプログラムにすべきではとの声が少なからずある。
今回は、2023年の神奈川県平塚市での様子などを振り返りつつ、2024年の徳島県三好市、2025年の長野県木曽町で予定されている開催を見通して、またこれまで参加した研究者へのアンケート調査なども踏まえて、展望や課題等について議論する。
1999年夏、第1回のサマスクは地震学会と火山学会の有志によって「丹那断層」をテーマに静岡県函南町などで開催された。その後、開催地を毎年変えて実施されており、直近では2019年に京都府宮津市や京丹後市で北丹後地震を、2022年に群馬県嬬恋村と長野原町で浅間山を、2023年に神奈川県平塚市で大正関東地震をそれぞれテーマとして開催した(※2023年サマスクは本予稿投稿後に開催)。当初、防災や教育に関心の高い研究者や教員らが中心となって開催されていたが、現在では3つの学会の支援のもとで常時設置されている地震火山地質こどもサマースクール三学会連合企画委員会で開催地を公募し、サマースクール運営委員会と、開催地の地元団体とで実行委員会をつくって実施されている。2016年からは開催希望団体からの応募によって開催地を決定している。
サマスクのプログラムは、当初から参加者が能動的に考えること、チームの中で学び合うこと、学んだことを自分たちの言葉や絵を使いプレゼンするまでを一連のプログラムとすることを重視しており、いわゆる探究学習の手法が用いられている。好奇心旺盛な子どもたちに安全な学習機会を提供する。過去22回のプログラムの特徴は次の通りである。
1)チームで考え学ぶ:地球科学や防災について理解するために講師らが考えたナゾを、小学5年から高校生からなる5〜6名のグループで相談しながら解き明かす構成になっている。
2)スタッフ構成:講師、実験担当、コーディネーター(進行役)、チームサポーター(チームに同行する大人)、安全管理担当などのスタッフ構成による子どもたちへの強力な支援がある。
3)地元へのノウハウ提供:コーディネーターや実験を運営委員と地元スタッフが共に担うことで、進行の仕方や実験手法などのノウハウが地元に残ることを期待している。
プログラム終了後に実施しているアンケートによると、毎回参加者の9割以上がプログラムに満足し、特に野外での学習や実験に人気がある。若干のリピーターも存在し、中には大学で地球科学を専攻する者、サマスクの運営スタッフとなった者なども現れている。一方で、サマスクを体験できる子どもは毎回30〜40名程度で、もっと多くの子どもに役立つプログラムにすべきではとの声が少なからずある。
今回は、2023年の神奈川県平塚市での様子などを振り返りつつ、2024年の徳島県三好市、2025年の長野県木曽町で予定されている開催を見通して、またこれまで参加した研究者へのアンケート調査なども踏まえて、展望や課題等について議論する。