[J1-P-5] 次の桜島大噴火時の降灰分布を予想するⅢ
★日本地質学会ジュニアセッション優秀賞★
【研究者氏名】浜田翔世,松本直人,本村隆太,福元啓太
1914年に桜島が大噴火して今年で109年経ち,研究によると桜島の地下にあるマグマだまりは9割ほどマグマで充填され,この数十年以内にまた大噴火すると予想されている。桜島が大噴火した際,主にどの方向に降灰が起こるかに興味を持ち,桜島上空の風向きの傾向を調べることにした。桜島の1914年の大噴火では噴煙は成層圏まで達しているため,対流圏と成層圏での風向きを調べる必要がある。この研究では地上から高度10kmまでを対流圏,それよりも高い高度を成層圏と区分することにして,次の仮説を立てた。
・対流圏では,夏は東寄りの風が吹き,冬は西寄りの風が主に吹く。春と秋はある程度バラツキが見られる。
・成層圏では,年間を通して西寄りの風が吹いている。これはジェット気流の影響と考えられる。
鹿児島地方気象台のWebページにある,1日2回9時と21時の高度別の風向データを入手,活用した。鹿児島地方気象台に問い合わせたところ,桜島上空の風向きと気象台で観測した風のデータに違いがほぼなく,日頃の降灰予報に活用しているとのことであるので,我々はこのデータを研究に使用することにした。使用したデータは2015年1月から2022年8月末までの427,295個である。高さ0~5kmまでは西風が多い傾向にあるが,他の高さに比べるとバラツキが大きい。また,おおよそ高さ15~20kmで風の傾向が変わる。成層圏下部(高度10~20km)と中部(高度20~30km)で大気の循環が異なることが予想される。成層圏下部では7~8月でバラツキがあり,成層圏中部では10~12月でバラツキがある。それぞれバラツキが少ない月では,成層圏下部では西風が主,成層圏中では東風が顕著である。先輩達の得られたこれらの結果をもとに,各月毎での大噴火時の降灰が主に及ぶ範囲を「降灰確率分布域」と定義して,その確率を示す方向で現在解析中である。
【キーワード】桜島,大正大噴火,降灰,風向,降灰確率分布域
1914年に桜島が大噴火して今年で109年経ち,研究によると桜島の地下にあるマグマだまりは9割ほどマグマで充填され,この数十年以内にまた大噴火すると予想されている。桜島が大噴火した際,主にどの方向に降灰が起こるかに興味を持ち,桜島上空の風向きの傾向を調べることにした。桜島の1914年の大噴火では噴煙は成層圏まで達しているため,対流圏と成層圏での風向きを調べる必要がある。この研究では地上から高度10kmまでを対流圏,それよりも高い高度を成層圏と区分することにして,次の仮説を立てた。
・対流圏では,夏は東寄りの風が吹き,冬は西寄りの風が主に吹く。春と秋はある程度バラツキが見られる。
・成層圏では,年間を通して西寄りの風が吹いている。これはジェット気流の影響と考えられる。
鹿児島地方気象台のWebページにある,1日2回9時と21時の高度別の風向データを入手,活用した。鹿児島地方気象台に問い合わせたところ,桜島上空の風向きと気象台で観測した風のデータに違いがほぼなく,日頃の降灰予報に活用しているとのことであるので,我々はこのデータを研究に使用することにした。使用したデータは2015年1月から2022年8月末までの427,295個である。高さ0~5kmまでは西風が多い傾向にあるが,他の高さに比べるとバラツキが大きい。また,おおよそ高さ15~20kmで風の傾向が変わる。成層圏下部(高度10~20km)と中部(高度20~30km)で大気の循環が異なることが予想される。成層圏下部では7~8月でバラツキがあり,成層圏中部では10~12月でバラツキがある。それぞれバラツキが少ない月では,成層圏下部では西風が主,成層圏中では東風が顕著である。先輩達の得られたこれらの結果をもとに,各月毎での大噴火時の降灰が主に及ぶ範囲を「降灰確率分布域」と定義して,その確率を示す方向で現在解析中である。
【キーワード】桜島,大正大噴火,降灰,風向,降灰確率分布域